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335風ミニギターを購入。

時々、ミニギターについての相談をいただきます。「子供がギターを始めるのに小さいギターの方が良いのではないか」というお話が一番多く、次に「手軽に弾けそうで買ったけど、音がビミョー。なんとかならへん?」という話といった具合。お子様用という意味では小さいギターという発想は間違ってはいないと思いますが、「通常のギターより精度は落ちる・音程はアヤシイ場合が多い」という事を念頭に置く必要があります。また、子供が使うと言ってもある程度体が大きくなっているお子様なら普通サイズのギターで練習をはじめても大丈夫だと思います。大人でも「手が小さいので短い弦長のギターの方が良い」という考えの人もいますが、プロでも手が小さいギタリストはたくさんいますし、手が小さいなりの弾き方もあります。むしろ手のが小さい方の方が幅のあるポジションチェンジを普通に使いこなして幅のあるフレージングをしている方が多いようにも思います。例えば小学校高学年くらいなら普通サイズでも全然OK化と思います。

基本的に「レギュラーサイズのギターよりかなり短い弦長」「レギュラーサイズよりかなり小さいボディ」であれば、そもそもレギュラーサイズと同じ音域が得意という事にはなりにくいのは想像に難しくないと思います。逆にいえば、ミニサイズに合った音域、得意な音域というのがあるとも言えます。ミニギターの調整の依頼を受けた際はこの辺のことも勘案してセッティングさせていただくのですが、通常より弦を太くするのと、レギュラーチューニングにしてみてもイマイチならチューニングを高めにするのが良いのではないかと思います。

でもやっぱり「ミニギターをレギュラーチューニングで使いたい!」という人も結構いるのでは・・・僕自身、ミニギターは大好きでK.Yairiのノクターンfホールモデルを愛用しています。弦長は570mmなのですが、レギュラーチューニング(弦はミディアムゲージ013~056)でいい感じの音で鳴ってくれます。なのでこれくらいの弦長があればレギュラーチューニングでも行ける可能性が高いのではないかと思います。

今回購入したGrass Rootsは520mmとかなり短いスケールです。楽器店でこのシリーズを見かけるたびに「かわいいギターだなぁ」と思って興味を持っていました。弦長がすごく短いですし、演奏性は多少なりとも犠牲にしたある意味での「おもちゃ」的な立ち位置のギターだと思いますが、ちゃんとセットアップすればちょっと遊ぶには面白いギターで、ここ数字はこればっかり弾いています。

335タイプがないので手持ちのES-330と並べてみました。写真に撮るとそれほど小さくないようにも見えるかもしれませんが、実機を見るとかなり小さく感じます。

通常サイズのセミアコのケースに入れるとサイズの差がよくわかります。ぶかぶかです。

G-SA-Miniは定価5万くらいですが、今回特価になっていたものを通販で購入。届いたものは正直なところかなり雑な作り・仕上げだったのでまずは以下①~③の通り手を加えました。

①フレットの高さがバラバラ出音詰まり多発だったのでフレット擦り合わせ実施。フレットのバリもひどくエッジが引っかかるのでその加工も。ちなみにフレットはジャンボサイズになっています。

➁ペグブッシュが全てナナメに浮いていたので押し込んでみたのですが、きれいに収まりませんでした。ブッシュを取り外してみたところブッシュを突っ込む穴がナナメにあいていました。少しでもまっすぐになるように穴を拡張しながら補正、コンバージョンブッシュで日本製のクルーソンタイプGOTOH SD90に交換。(ペグ自体はオリジナルの中国製でも大丈夫そうだったのですが、ポストの径がコンバージョンブッシュの内径と合わなかったのでGOTOHに)。

③ブリッジのスタッドはメス側、オス側共に遊びの多い精度で、なおかつボディ側の穴も少し緩く(メス側のスタッドが浮いている)、ブリッジがかなりぐらついていました。弦長が短いのでブリッジが動いたときにチューニングのずれも大きくなると考え、しっかり固定できるように改造(詳細は秘密)。これに伴ってブリッジは手元にあったKTSのチタンサドルが乗った日本製のABRタイプに交換。ついでにテールピースも手元にあったGOTOHアルミ製に交換。

ボディとネックは小さくなってますが、ブリッジ・テールピース・PUなどはレギュラーサイズのもので一般的なパーツに容易に交換できそうです。ピックガードは専用ですが、エッジのバリがすごかったので仕上げをやり直しました。写真だとわかり難いですが、塗装はシースルーで下地のメイプルの木目が見えていていい感じです。

 

ボディバック。実はこのギター、「セミアコースティック」ではなく「セミホロウ」構造です。トップはソリッドのメイプル材でバックはソリッドのマホガニー、マホガニー側の内部をくり抜いた構造です。バックはアーチ形状にはなっておらず、335というよりは「ホロウ構造のfホールの開いたダブルカッタウェイのレスポール」のような感じです。

コントロールは一般的な2Vol.2Tone。今回電気パーツは手を加えていませんが、ボディバックからアクセスできるので交換はやりやすそう。PUはリアの方が少し高出力です。

フレットは製造時にしっかり擦り合わせをしていないようで、エッジ部のバリもすごくあまり手をかけて作られていないように思います。今回は自分で擦り合わせを実施して演奏性を確保しました。やっぱりミニギターというよりトイギターに近い?

ヘッドにはちゃんと角度がついています。ミニギターだとサイズの都合もあるのか、ロトマチックタイプの小さなペグがついている機種が多いですが、本機はクルーソンタイプ。ただ、前述の理由でもともとクルーソンタイプペグを外しGOTOH SD90に交換。

今回弦は12-54、3弦プレーン(Daddario EXL145)を張って、弦高は1弦12フレット1.6mm、6弦は2.0mmにしてみました。メーカーデフォルトは12-53、3弦ワウンドのセットのようですが、ロック的な演奏が主体の僕としては3弦はプレーンが良いし、自分のストラトで使い慣れているセットなので・・・

最初レギュラーチューニングにして弾いてみました。そこそこ遊べる感じではありますが、ちょっと音程が微妙な気もしました。ハイポジションの方でもリードは行けますが、和音は油断すると音程が気持ち悪いことがあります。響き自体はミニギターによくあるあんまり響かない感じで、サスイテインも弱いです。

試しにチューニングを1音上げにすると随分響きが良くなり、サスイテインもそこそこになりました。やはり小さいサイズだと高域寄りのセッティングの方が生き生きする感じです。ナット幅はおよそ42mm、ネックの厚みはレギュラーサイズのギターと大差はなく、握った感じは「小さすぎる」という事はなく、ちゃんと演奏できます。このチューニングだとハイポジションの和音もOKです。フレットの間隔が狭くてフィンガリグが込み合いますが、逆にレギュラーサイズでは難しいフィンガリングが簡単に出てきたりするのが面白いです。ちょっと遊ぶには楽しいギターです。

⇓こんな感じです。

 

 

 

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