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勉強はしているものの、成績がイマイチ上がらないオイラは日に日に焦りが募った。特に英語がキビシー。だらだら生活しているわけではないから、時間がたつのも早く感じる。この調子だとヤバイゼ。季節はもう夏を迎えていた。

オイラは金がなかったのでチャリで図書館に通い、食事は弁当持参。友達と遊ぶでもなく、勉強ばかりしていてクラーイ青春を送っていた。浪人生には当然だと思って割り切ってはいたが、夏は誘惑の季節なのだった。ある日、高校のクラスメイトでギター仲間のKが図書館に現れ、久しぶりだったのでしばし話し込んだ。そんな中であるCDを勧められたのだった。「これスゲーよ!!だまされたと思って聞いてみろよ!曲もいいし、ギターもすげぇぞ。ゼッテーキニイルカラサァ!」・・・タチの悪い勧誘のようなその口調に本能的に「受け取るな!」とは思ったものの、久しぶりに会った友人の勧めをムゲに断れない心やさしいオイラはそのCDを借りてしまったのだった。

その夜、家に帰りそのCDを聴いた。「うぉおっマジでスゲェ!!」・・・めっちゃ衝撃を受けた。今思えば禁ギター生活の最中だったからなおさら衝撃的だったのだ。ギターを弾きたい欲求は頂点に達し、トーカイちゃんを売ってしまったことを目茶苦茶後悔。ヌーノのように弾きてぇ!練習しなければ!と頭の中で誰かが叫んでいた。そして無意識に押入れに向かい、モーリス君の封印に手をかけたところでようやく我に返った。危ないところであった。

この時オイラは気付いた。不治の病「ギター弾きたい症候群」※に侵されていることを。・・・そしてこの時から受験が終わるまでの間、「ギター弾きたい症候群」の恐ろしい禁断症状に苦しめられることになったのだ。まんまとKの悪魔のささやきに乗ってしまったばかりに・・・

そのCDとはEXTREMEのPORNOGRAFFITTiだ。

↓これだ。

Pornograffitti

それまでオイラはイングヴェイや、ザックワイルド、ジョンサイクス、ゲイリームーアなどのテクニカルでありつつ哀愁のあるフレーズを聴かせるギタリストを好んでいた。ヴァンヘイレンも好きだったが、それはエディーが好きというより、中学の時にヒットしたアルバム「5150」の曲が大好きだったからだ。そんなオイラにとってヌーノベッテンコートのファンキーなリフは衝撃だった。「なんだこのノリノリなノリは」と、言葉にするとヘンな感じだが、とにかくあのリズム、キレにヤラレテしまったのだ。イングヴェイを初めて聞いた時も衝撃だったが、ヌーノもそれと同じくらいのインパクトがあった。曲の良さもそうだが、ギターのテクニックも新次元だった。余談だが、彼はタッピングや弦飛びが注目されがちだが、「歪んだ音でファンクのノリの切れのあるリフをビシバシ決める」ということの方がすごかったと思う。もっともこれは大学に合格して練習を再開してから気づいたのだけれど。

話を戻して、当時オイラはギター封印中の身であり、この新たな衝撃によって、持病である「ギター弾きたい症候群」が誘発されてしまったわけだ。頭の中では四六時中Decadance DanceやGet The Funk Outが再生されている。激しく躍動的な曲が続き精神が疲れてきたところでMore Than WordsやWhen I First Kiss Youなどの癒し系の曲が再生されるので疲れないぞ。タチ悪いな。「ナンテコッタ、ベンキョウニシュウチュウデキナイジャナイカ!」と思ってもアフターフェスティボーなのだった。「はかったなぁああ、Kぇええ!!」

・・・逆恨みです。(秋冬編へ続く)

 

※「ギター弾きたい症候群」とは?

四六時中ギターを手にした生活を数年送ると、それが生理的習慣となってしまい、常にギターが弾きたくてしょうがなくなる病気。命にかかわることはないが、現代の医学では治す手立てがない。症状としては長期間ギターを手にしないでいると、右手が勝手にピッキングしたり、左がフィンガリングしたりする。また、寝ている最中に勝手にライトハンドしてたり、右利きなのになぜか左でドアノブの回し、その回し方がやたらチョーキングしているみたいになる。重度になると脳内ギタリストが四六時中脳内エンドレスライブを行うようになり、現実の生活に集中できなくなりキケンである。適度にギターを弾いていると症状は出ないことが多く、無自覚である場合が多い。

若いころにこの病気に罹患すると、社会人になってから「ギター買いたい症候群」も併発するケースが多くみられる。お茶の水の楽器店街で徘徊している40~50代の男性の半数以上が罹患しているとのデータもある。

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