上の写真のギター、BUSKER’Sという激安ブランドの3シングルストラトタイプを改造しまくったものです。原型をとどめているのは「ストラトの形」という点くらいであとはほとんど手が加わっています。改造した内容は・・・
①指板張替・フレット交換・ナット交換
分厚いローズ指板に張り替え、ネック全体の厚みを増しています。(僕は太目のネックの方が好きなのです。)そして、指板Rは9.5~12inchのコンパウンドラジウスに成形。フレットは日本が誇る老舗フレットブランド三晃のナロージャンボ。ナットは牛骨、Fenderよりも厚みが少なく(弦が乗る距離が短く)仕上げています。
➁ペグをロトマチックからクルーソンタイプに交換
タイトルだけ見ると大した改造ではないように思いますが、さにあらず。結構な大手術をしています。ロトマチックからクルーソンタイプへの交換では多くの場合、ポストの穴を埋めて開け直しますが、今回は6か所個別に埋めるのではなく、ヘッドをスパッと切断して、新しいメイプル材を貼って再成形しています。元々の穴が大きすぎて、ちょうど良いサイズの埋木を作る方がかえって大変だったので苦し紛れに取った方法ですが、思いのほかうまくいきました。
③3シングルから2ハム仕様に
ボディ材が非常に軽量なためか、軽い音のギターだったので、もう少し太い音が出ることを期待して2ハム仕様に改造。さらに4芯のPUを使ってシリーズ接続(通常のハムバッカー)、タップ(片方のコイルのみ出力のシングルコイルモード)、パラレル(両方のコイルをシングルとして出力するハーフトーン)を切り替えられるようにしました。PUはG&Bという廉価ブランドのものを使用。
④シンクロトレモロ仕様からハードテイル仕様に
このBUSKER’Sのボディ材はポローニァ(桐)という非常にやわらかく軽量な材なので、トレモロを使うとネジ穴がすぐに馬鹿になります。なので、ハードテイル仕様に改造。
⑤黒からバーガンディへリフィニッシュ
元々はポリエステルと思われる黒のフィニッシュ。これをはがしてバーガンディにリフィニッシュ。サンディングはポリ、着色とトップコートはラッカーで行っています。メタリック塗装は難しいんですが、今回はムラが入ってしまいました。でもやり直す時間もないし、このままでもいいや!
主な改造は以上な感じです。あとはピックガードを製作してますが、BUSKERSに見えないように、ゴージャスにパール柄にしました。元々かなり細かったネックジョイントのビスはネジ穴がスカスカだ頼りなかったので極太ビスに交換してます。それからトーンは音がこもるポイントを遅らせるために通常のハムに使用するよりも容量の小さいキャパシタを使いました。POTやスイッチ類は国産品ですが、ロータリースイッチだけ国産でちょうど良いのが見つからなかったので通販で買った安くてアヤシイものを使いました。その他各交換パーツも贅沢なものは一切使用せずに安価なものを使用していてパーツ代は多分1万円弱でしょう。でも作業料となるといくらになるのかな・・・同じギターが20本位買えるくらいかも。
そして本日サウンドチェック実施。
まずはクリーン。最初の2分間くらいは「フロントハム」⇒「フロントシングル」⇒「フロントパラレル」⇒「リアハム」⇒「リアシングル」⇒「リアパラレル(ローカットON)」の順で同じようなフレーズを弾いて各モードの音の違いを確認。あとは適当。途中のレッチリの部分、余計な音が出てますが気にしないでください。⇓
次にクランチ。最初の方はクリーンの時と同様、各モードの音の違いをチェックしています。あとは適当。⇓
上のクランチよりもゲインアップ。ここまで歪ませるとシングルとパラレルの違いもわずかになってわかりにくいのでモード毎の音の確認は省略、好きに弾いちゃいました。⇓
なかなか楽しめるギターになりました。でも、スイッチ類がややこしいので慣れないとかなり混乱します・・・
音はまだ軽さがありますが、それもこのギターの個性。動画で使った歪みはいつものJTM Driveですが、こいつのドライブを少し下げてゲインブースターでブーストするともっと太いリードも行けそう。
元々あったトレモロのザクリをアルダーで埋めたのにもかかわらず、出来上がった状態はまだまだ超軽量の実測2.85kg!!通常のストラトではあり得ないこの軽さ、怖いです。思いつくままに仕様を決めていったお遊び改造なギターですが、お客さんにハムバッカーのコイルタップやパラレル配線の音を説明する時などなどの改造の説明に役立てようと思います。