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配線を終えて電気パーツの組み込みまで完了したSG1500、あと一息で完成!

引き続きYAMAHA SG1500のレストア作業、本日は電気配線・電気パーツの組み込み、コントロールキャビティのパネルを製作。ボディ側のシールド処理はキャビティ全体を覆うように拡張、数日前から導電塗料を数回塗り重ねてあります。

元々はキャビティ内の半分くらいまで導電塗料が塗られていて(下のBefore写真参照)、パネル裏側はノーシールドでした。一方で配線はすべてシールド線が用いられていましたが、今回はキャビティ側のシールド処理を充実させることにして導電塗料をキャビティ内部全体に拡張して塗布、後述のパネルも取り付け前に内側をアルミテープでシールドすることでボディ側のシールドを充実させて再配線に用いる配線材はシールド線は用いないことにしました。使ったのは改造などで定番の配線材Belden8503、8504。写真には写っていませんが、PUからの配線もBeldenに置き換えました。これら配線材は今後のメンテナンス性を考慮した色分けとグループ分け(チューブで仕分け)ています。電気パーツはYAMAHAオリジナルではすべて国産パーツでしたが、今回はPOT類はCTSのインチ規格品に、キャパシタはOrange Drop 715P 、ジャックはSwitchcraftへそれぞれグレードアップしました。

POTはインチ規格に替えたのでノブもインチ用に新調。汚れていたPUとエスカッションもクリーニングして綺麗にしました。

Before:オリジナルの電気パーツ類。PUから出ている線も含めすべての配線にシールド線が用いられているのはYAMAHAの拘りのようで他の機種でも同様。しっかり色分けもしてありますし、通常の線材より煩雑なシールド線の配線も丁寧にされていて「日本人の仕事だな~」と感じます。

コントロールキャビティ等のパネルは3mm厚のローズウッド材から切り出して製作。表面はオイルフィニッシュにして、ギターに取り付ける前に内側はアルミシートでシールド処理をする予定。

汚れていたトラスロッドのプレートも掃除して綺麗にしました。

Before:元々のパネル類。トラスロッドのパネルは汚れを取って上の写真のようにきれいになりましたが、コントロールキャビティとPUセレクターのパネルは表面が古い紙が貼られたようなナゾの状態で非常に見た目が悪いので引退、前の写真のローズウッドパネルに選手交代。

ようやくゴールが見えてきました。あとはパネルを完成させて、弦を張って調整して完成です。パネルはオイルフィニッシュの都合であと数日かかりますが、弦を張って調整を行うのはパネルがついてなくてもできるので次の営業日には済ませてできれば今月中にデビューさせたいところです。

ここまでに至る道のりは以下リンクをどうぞ!

YAMAHA SG1500レストア①点検・分解

YAMAHA SG1500レストア②フレット擦り合わせ・塗装部のクリーニング

YAMAHA SG1500レストア③ゴールドメッキパーツのクリーニング

 

 

 

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フレットの擦り合わせと塗装部のクリーニングを完了したSG1500。

先日レストアに取り掛かったYAMAHA SG1500のフレット擦り合わせと指板のクリーニング・コンディショニング、塗装部のクリーニングまで完了しました。クリーニング前はこの時代のYAMAHAギターでよく見られる塗膜の白濁はないと思っていましたが、クリーニングを済ませてみると汚れの下に隠れていた白濁が現れてしまいました。真っ白になっているような重症ではなくボディトップ側などは上の写真の通り、少し白っぽい程度ではありますが、ボディバックやヘッド表側にもよく見ると白っぽくなっている部分があるので中古品として出品する際の価格を想定より下げることになりそう・・・。しゃーない。でも汚れを取って元の状態よりだいぶ綺麗になりました。傷や打痕もありますが中古80’sYAMAHA SGとしては普通に見られるくらいの損傷程度なのでまあまあの状態でしょうか。

ボディトップ&バック。よく見ると白濁がありますが、表面の堆積していた汚れは綺麗に取り除けました。塗膜表面をワックスで仕上げたので触り心地にもイイ感じ。

Before:元々はこんな感じで汚れていました。

だいぶ汚れがついていたヘッドもきれいになりました。こちらもボディ同様汚れの下に少し白濁が出てきています。

Before:クリーニング前のヘッド。ペグの周りを中心に汚れがこびりついていました。ペグはまだクリーニングしてません。

フレットは一か所だけ浮きが出ていた部分の修正と全体の擦り合わせを行いました。元々の状態は前回の記事の写真の通り、ローポジション側のフレットの表面に凹みが少しできている程度だったのですがそうした凹みなどはすべて解消。指板の清掃とコンディショニングも行い綺麗になりました。

Before:擦り合わせ&クリーニング前のフレット&指板。

本日はここまで。この後は半端な状態のボディのシールド(導電塗料を塗った部分)の再処理とコントロールとトグルスイッチのキャビティのパネルの制作、金属部品やプラパーツのクリーニング、配線・組み込みといった流れです。他に同時進行の依頼なども複数あるので、時間が出来たときにちょこちょこ進める感じでまだまだ先は長い。

 

 

 

YAMAHA SG1500のレストア開始。本日はチェックと解体。

上の写真は1981~1984年の間だけ製造されていたYAMAHA SG1500。当時大人気だったSGシリーズの中では生産数が少なかった比較的珍しいギターです。見ての通り「どう?あたしってスルーネックなの。うふん♥」という外観の主張が他のSGと一味違って僕は好きです。上位機種でSG2000というのもスルーネック構造ですが、そちらはボディトップは完全にメイプルに覆われていて表からはわかりません。「あまりお見せしておりませんが、実はワタクシもスルーネックですのよ。ふふふ。」とお上品にふるまっているのがちょっとチカヅキガタイ。

これまでもSGは何本か扱ってきているのですが、スルーネックの機種ははじめてでオーバーホール後にどういった感じになるのか楽しみです。取りあえず今日は各所のチェックと解体。

まずはギターの心臓、ネック。トラスロッドは十分な余裕があります。が、フレットは弦高を低めにすると多少の音詰まり。全体的にフレットの磨耗自体は少なめですが、ローポジション側は弦の凹みがわずかながら出来ています。一か所だけフレットの浮きを発見しましたが、これは打ち替えるまではせずに修繕できそう。このフレット浮きを修繕した後、フレット擦り合わせを加えて精度を上げようと思います。

ボディの表面各部。80年代のYAMAHAエレキギターに多い塗装の白濁は無くて一安心(後日談:白濁はないと思っていたのですが、クリーニングしたら汚れの下から現れやがりました。チクショー。)。といってもかなり汚れが堆積しています。弾き傷や打痕はある程度残りますが全体的な汚れは気合を入れてクリーニングすればまあまあ綺麗にできそうです。ボリュームノブは塗装部同様汚れでくすんでいて、プレートも一枚剥がれて欠品。ノブごと新調するか、クリーニングのみにするかどうかは要検討。

ヘッドもボディと同様かなり汚れていますが、だいたいの汚れは落とせると思います。ペグは金メッキの劣化は他のメッキに比べて避けようがなく、掃除でピカピカに戻すのも無理があるのですが、丁寧に掃除すればある程度汚れは落とせそうです。動作の方は「さすがは日本製!」と拍手したくなるくらいスムーズで全く問題なし。

ブリッジ周辺パーツ。こちらもペグと同じくメッキがある程度劣化していますが、30年以上前のギターとしては状態は保たれている方でしょう。ブリッジサドルのスペースに埃りが詰まっていますが、しっかり掃除すればちゃんと役目を果たしてくれるでしょう。

パネル類。トラスロッドのパネルはきれいに掃除できそうですが、コントロールキャビティとPUセレクターのパネルは表面(おもてめん)はなんだか古い紙が貼り付いてしまって取れなくなったようなナゾの状態。樹脂製のパネルなんですがどうしてこうなったのかは不明。新品時のフィルムをずっと張りっぱなしでそれが劣化して浸食したとか?そのままでも機能的には全く問題ないですが見た目が悪すぎる気がします・・・。どうするかは要検討です。

キャビティ内は中途半端に導電塗料が塗られています。パネルの裏側のシールド処理やアースに落とす配線はされておらず、どうしてこういう仕様になっているのかは不明。電気パーツ類もオリジナルのままだったので最初からこうだったのだと思われます。

取り外した電気パーツ類。PUは生きていてそのまま再セットします。トグルスイッチやPOTなどは可動性や通電の不良、ガリなど何かしらの問題があって要交換。この年代のYAMAHAのエレキはケーブルが全てシールドケーブルになっています。新しいパーツで再配線をしますが、一つ前の写真のキャビティ内のシールド塗装と合わせてどのようにするかは要検討。

取り外したパーツ類はケースにしまって熟成・・・ではなく、失くさないように保管。

本日はここまで。

 

 

 

ようやく弾ける状態に復活したSL550S!

ようやく弾ける状態に復活したSL550S!

昨日までの続き作業、ナット、テールピース、ブリッジ、ピックガードといった新調したパーツの取り付けを行いようやく上の写真の状態にまで至りました。

まずは、ヘッドと指板の間のナットを収める溝の修正。もともとはヘッドの突板が6弦側に侵入しているアンバランスな仕上がりだったのでそれを削り落としました。

修正した溝。昨日のレポではまだ突板のはみだしが6弦側にありました。これで響きのバランスが良くなることに期待!

修正した溝。昨日のレポではまだ突板のはみだしが6弦側にありました。これで響きのバランスが良くなることに期待!

昨日おおかた作っておいたナットを微修正して載せてみます。もちろんピッタリのサイズに加工していますが、バインディングが経年の劣化で収縮しているのでそことナットの間には隙間があります。今回はこのままですが、気になるようならあとから埋めても良いでしょう。

昨日おおかた作っておいたナットを微修正して載せてみます。もちろんピッタリのサイズに加工していますが、バインディングが経年の劣化で収縮しているのでそことナットの間には隙間があります。今回はこのままですが、気になるようならあとから埋めても良いでしょう。

弦を張って、弦溝を掘り終えて仕上げまで済ませたところ。ナット材は無垢の牛骨を使用。牛骨はコンパウンドで磨くと写真のように艶が出ます。

弦を張って、弦溝を掘り終えて仕上げまで済ませたところ。ナット材は無垢の牛骨を使用。牛骨はコンパウンドで磨くと写真のように艶が出ます。

新調したテールピースとブリッジは幸い規格が同じで取り付けは簡単に済みました。古い楽器の生鳴りを生かすためにテールピースは軽量のアルミ製にしました。

新調したテールピースとブリッジは幸い規格が同じで取り付けは簡単に済みました。古い楽器の生鳴りを生かすためにテールピースは軽量のアルミ製に。

ジャックプレートはサビだらけでしたが、写真の通りまあまあの綺麗さにまで復帰。錆びて山が崩れていたネジは新しいものに交換。

ジャックプレートはサビだらけでしたが、写真の通りまあまあの綺麗さにまで復帰。錆びて山が崩れていたネジは新しいものに交換。

「やったー完成!」と思ったら用意していた既製品のピックガードが合わず。

「やったー完成!」と思ったら用意していた既製品のピックガードが合わず。

ほんの少し加工して何とか取り付けできました。

ほんの少し加工して何とか取り付けできました。

以上でほぼ完成、生鳴りは想像していた以上に古い個体らしい乾いた元気なもので、ちょっとびっくりしました。PAF系のPUにするとそこらのレスポールよりも気持ちいいかも・・・。今回はオリジナルのYAMAHAのPUのままで行くのですが、さきほど少しだけアンプから音を出してみたところ、YAMAHA PUの独特な音。「ただコピーではなく、独自性を加える」というYAMAHAらしい感じです。SGシリーズでも採用されているバイサウンド(コイルタップ)のスイッチもついていてシャキシャキの音も面白いです。

あとは一日ネックの様子を見て最後の微調整を加えて完了です。

古いフレットを抜いて指板の修正が終わった状態。

古いフレットを抜いて指板の修正が終わった状態。

先日の「80年代製造 YAMAHA SL550S レスポールタイプのオーバーホール①」つづき。

フレットをを抜いてねじれの見られた指板の修正を済ませた状態から、今度は新しいフレットを取り付け。

新しいフレットを打ちこんで、各フレットの両端を指板の端に沿って粗成形まで行ったところ。この時点でフレット両端は指板(バインディング)からはみ出してはいませんが、角は尖っていて手の動きに引っかかる状態。

新しいフレットを打ちこんで、各フレットの両端を指板の端に沿って粗成形まで行ったところ。この時点でフレット両端は指板(バインディング)からはみ出してはいませんが、角は尖っていて手の動きに引っかかる状態。

フレット両端を丸めて上面の擦り合わせ、フレットエッジの加工まで終えた状態。

フレット両端を丸めて上面の擦り合わせ、フレットエッジの加工まで終えた状態。

今回のフレットは元々と同じくジャンボサイズ。指板修正をきっちりやっているので、新しいフレットを打ちこんだ時点でフレットの頂点の高さはほぼ揃っていますが、さらに精度を高めるために擦り合わせも行いますが、フレットを打つとネックの状態も変化するので1日待ってから作業再開。通常の磨耗したフレットの擦り合わせに比べれば削る量は圧倒的に少ないのですが、それでもフレットごとに多少のフレット頂点の幅のばらつきもでるので、削りっぱなしではなく、幅を揃えてエッジも丸める作業も行います。

ペグをGotohのクルーソンペグに替えるので不利物は取り外しました。ペグポストの穴の径が通常のクルーソンタイプより大きくなっています。また、ナットを収める溝の底に突板(ヘッド表面の黒い板)が入り込んでいます(赤矢印の箇所)。

ペグをGotohのクルーソンペグに替えるので不利物は取り外しました。ペグポストの穴の径が通常のクルーソンタイプより大きくなっています。また、ナットを収める溝の底に突板(ヘッド表面の黒い板)が入り込んでいます(赤矢印の箇所)。

フレットが終わったらナットの取り付けですが、今回はペグをGOTOHのクルーソンタイプに交換するとの依頼もいただいています。古いペグを外すとポストの穴の径がクルーソンタイプよりも大きいのでコンバージョンブッシュというパーツを使用します。また、ナットを収める溝内に突板がはみ出しています。オリジナルでは強引に削ってナットを取り付けてしまっていたのですが、厳密には音の振動がばらついてしまってよろしくないと思うのでこれを削り落とすことにしました。

左が今回使用したコンバージョンブッシュ。右は通常のクルーソンタイプ。コンバージョンのほうは内径は同じで外見が大きめでロトマチックタイプのペグを取り付けた穴に対応しています。もっとも穴のサイズはばらつきがあったりするので、これでもドンピシャにならないこともあります。(今回はドンピシャ!)

左が今回使用したコンバージョンブッシュ。右は通常のクルーソンタイプ。コンバージョンのほうは内径は同じで外見が大きめでロトマチックタイプのペグを取り付けた穴に対応しています。もっとも穴のサイズはばらつきがあったりするので、これでもドンピシャにならないこともあります。(今回はドンピシャ!)

ナットを収める溝を綺麗にする前によく観察するとそこから1フレット手前までにかけて指板が剥がれていることが発覚。ぱっと見はわからないのですがナット溝に工具をあててヘッドをもって研磨しようとするとほんのわずかに隙間が空きます。これはほっとけないのでいったんナットの方は中断、まずはこの指板剥がれを接着することに。締め切りも近い案件なので、進められる部分は進めることにしてペグの取り付けを行った上で接着の固定を行いました。

指板の剥がれを再接着しているところ。

指板の剥がれを再接着しているところ。なるべく作業を進めておきたいのでペグ取り付けは済ませました。

接着が完了してから、接着に使用した接着剤のはみ出した部分を取り除くのですが、この際に濡れ拭きを使うのでその水分の乾燥のため三度作業中断。なかなか進みませんが、もうゴールは見えています。あとは新しいナット、ブリッジ、テールピースを取り付けて弦を張ってナット溝を切って全体の調整で完了。ブリッジとテールピースはGOTOHのものを取り付けますが、規格があっているので難しいところはありません。ナットの取り付けもすぐ行えるように今日ナットの作成も済ませました。

作成したナット。無垢の牛骨材を削り出して作ります。今回はまだヘッドのナットを収める溝の処理が済んでいないので高めに作ってあります。溝の処理が終わったら底面を削り高さを合わせてから取り付ける作戦。磨きは通常弦を張ってナット上の弦溝の調整まで終わってから行いますが、それだと磨きにくい面などはこの段階で磨いてしまいます。

作成したナット。無垢の牛骨材を削り出して作ります。今回はまだヘッドのナットを収める溝の処理が済んでいないので背高めに作ってあります。溝の処理が終わったら底面を削り高さを合わせてから取り付ける作戦。

先日買い取ったグレコのSG Jr.モデル、かなりの使用感で汚れがすごいのとネックの表が削り落とされているという、出品までに手がかかりそうな一本です。今日はまずクリーニングをしました。

とりあえずサビサビの弦を外して、ピックガード外してみました。かなり汚れています。

サビサビ弦を外して、ピックガード外してみました。かなり汚れていますよ。

クリーニング後。だいぶ汚れは取れました。

クリーニング後。だいぶ汚れは取れました。

金属パーツもかなり汚れています。これもできる限りきれいにしました。

金属パーツもかなり汚れています。これもできる限りきれいにしました。

ペグも綺麗に。

ペグも綺麗に。

ヘッドの表が削られてしまってるのが問題。どうしてくれよう。

ヘッドの表が削られてしまってるのが問題。どうしてくれよう。

という感じで綺麗にしました。このギター、しばらくお店の入り口に置いてあったのですが、ボディの程よく焼けた色合いが「ふなっしーみたい!」となかなかの人気者です。

hunassi

お客さんと話している中で「ピックガードを水色にして赤いワンポイントつけるといいんじゃね?」という話も出ました(笑)。もちろん、メンテが終了したら売りに出すので、勝手にふなっしーの名を語るのはまずいのでNGですが・・・でもそういわれるとやってみたくなりますね(笑)やらないけどね。