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長い間放置されていたGreco Flying Vをレストア!

当店でレストアさせてただいた1982年製のGreco Flying V Type、先ほど依頼主さんが受け取りにご来店。実は依頼主さんは以前もGibsonのFlying VのメンテナンスなどをさせていただいているへヴィメタルバンドSignificant Pointなどで活躍されているギタリスト、竹内さん。まずは元の状態とレストア後の外観の違いに驚かれていました。

元の状態⇒ Greco Flying V Type 1982年製 レストア ①Before

現在の状態⇒ Greco Flying V Type 1982年製 レストア ②After

そしてサウンドチェック、今回は実際に竹内さんに試奏していただきました!動画をどうぞ。

演奏性、サウンドともにご満足いただけました。竹内さん、ありがとうございます!

やはり依頼主さんに喜んでいただけると私としてもとてもうれしいです。Heavy Gauge Guitarsでは今回のような古いギターのレストアを結構やらせていただいていますが、元がしっかりした楽器であればたとえ新品時の価格が高い楽器でなくても、長い期間放置されてボロボロであってもメンテナンス次第でいい感じに蘇ることが多いと思います。むしろ、経年によって古い楽器ならではの味わいが加わっているので満足度も高いのかもしれません。もちろん相応のコストはかかりますが、思い入れのある楽器であればそのコストに見合った満足が得られるのではないかと思います。

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82年製グレコFlyingVレストア完了!

かなり汚れていて電気部分にも故障があった1982年製のGreco Flying Vタイプのレストア作業が完了しました。

元々の様子はこちら ⇒ Greco Flying V Type 1982年製レストア ① Before

以下、各部見ていきましょう。

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ボディはこんな感じ。塗装部やピックガード、金属パーツなどの汚れ・腐食を取り除き、塗装の仕上げに用いる研磨剤(メーカーが塗装後の仕上げに使用するのと同じもの)で塗装部表面を磨き上げました。打痕や傷、焼けがイイ感じで残り、渋い外観に仕上がりました。汚れをとr除くことの効果は美観だけでなく、音もより響きやすくなるので結構大事です。

 

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指板。フレット表面の青錆び、くすみを取り除き鏡面になるように磨き上げました。その後指板上の汚れをクリーニング、最後に専用のオイルやワックスでローズウッドのコンディションを整えました。フレットを磨き上げることで弾きやすく、なおかつ音も響きやすくなります。曇ったままだと弾きにくい上、フレット・弦の磨耗が早くなってしまうのでフレットのコンディションを整えるのはかなり大事。ローズウッドの指板はもともと乾燥してカサカサでしたが、これも弾きにくくなるのと摩耗が早まる要因になるのでコンディションを整えています。

 

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ピックガードウィつけていない状態。焼けがあって経年を感じさせますが、Beforeと比べるとかなりきれいになっているのがわかります。

 

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クリーニングを終えたピックガード。こちらもボディ同様結構焼けが入っていますが、やはりBeforeと比べるとかなりきれいになりました。フロントPUの横のシールには搭載されているPUの名前「Screamin’」が印刷されています。このシール自体大分劣化しているのですが、今回はフロントPUはこのScreaminを綺麗にして再登載しているので、シールもあえて残しました。

 

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電気パーツはフロントPU以外はすべて入れ替えました。リアPUは今回のレストアの依頼主さんのチョイスSeymour Duncan SH-4 JBです。

 

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この画像ではまだ弦を張っていませんが、実際の最終的なPUの高さにしています。リア、フロントともピックガードからかなりPUが出ていますが、Flying VやSGなどではこのようになることが多いのですが、ここでちょっと問題(後述)があり、その対処としてリアPUの取り付けに赤矢印の箇所のスペーサー(樹脂製、自作)をかませて対処しています。

 

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左側がオリジナルのPU吊り下げビス、右は今回取り付けたSeymour Duncanと同じ規格のもの。ネジ頭の形状、大きさがかなり違います。オリジナルは「皿丸頭」と呼ばれているタイプでこれに合わせてピックガードのネジ穴もすり鉢状に加工されていました。一方seymour duncanの方は「丸頭」タイプで頭の径も大分小さいです。先の画像の通り、PUはピックガードからかなり飛び出るようなセッティングになるのでPUを吊り下げるているビスにかましているスプリングは短いものに換装しても(実際短いタイプに交換)限界までまで絞めこまれ、その結果、ネジ頭とピックガードのネジ穴の間には大きな負荷が発生します。そのまま吊り下げるとネジ穴が変形してPUが落ちてしまう事が考えられるのでまずは樹脂製の平ワッシャーをかませてみたのですが、PUを上げて行くと(吊り下げネジを絞めこんでゆくと)ワッシャーが変形してきてしまいました。次に金属製のワッシャーも試しましたが樹脂製より軽度なもののやはり変形。おそらくそのままで時間が経てばピックガードにワッシャーごとネジ頭がめり込んでしまい、最悪ピックガードのネジ穴が裂けて広がってしまう事が懸念されたので、今度は力がかかっても変形しないだけの厚みがあるワッシャー(先の写真の樹脂製スペーサー)を制作してかませることで解決。

 

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ブリッジ、テールピース表面の青錆び、腐食などを取り除きました。Beforeを見るとかなりすごいことになっていましたが、幸いこの画像のようにきれいにできています。サドルはメッキが落ちた部分からブラス製であることがわかります。金属パーツの腐食や汚れを落とすことで本来の響きが戻ります。磨いてもあまり変わらないほど劣化が進んでいる場合は新しいパーツに交換してしまう方が得策ですが今回はオリジナルパーツを生かすことができました。

 

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ブリッジのスタッドは矢印の箇所にサビが固まってしまってブリッジ高調整用のホイールが通過できなかったのですが、さびを落として通過できるようになりました。錆びていた箇所はメッキがすっかり落ちて黒く見えますが、機能的にはこれでOK。ここも錆びの浸潤がもっとひどかったらパーツ交換が必要でしたが幸いオリジナルパーツで復活!

 

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クリーニングを終えてブッシュを再取り付けしたヘッド。Beforeの写真とくらべてだいぶ綺麗にできているのがわかるかと思います。ナット表面も仕上げをやり直したのでいい感じで艶が出ています。

 

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ペグを取り付けて弦を張って完了!ペグ単体でのAfter写真を撮り忘れてしまいましたが・・・この画像でペグもかなりきれいに復帰できているのがわかるかともいます。

以上、レストア後の各部でした。

今回はブリッジの交換やフレットの打ち替え・擦り合わせなどは必要なく、これまで手掛けてきたものの中では比較的軽度な作業でしたが、Beforeの状態と比べれば外観は全く生まれ変わっているのがわかるかと思います。もちろん、基本的な調整や振動を阻害する汚れの撤去、古い電気パーツの入れ替えによって音の方も良好に回復しました。さて、依頼主さんは満足してくれるでしょうか?

 

 

 

表題のギタリスト竹内さん愛用のGibson Flying Vのメンテ(PUの交換と指板清掃、フレット磨き、他基本的な調整)を当店で任せていただきました。調整完了したギターを今日お店の機材で試していただいたのですが、その演奏がシェンカー節バリバリですごかったので動画を撮らせていただきました。

これだ⇓

竹内さんの演奏を見ていて気付いたのが、「ペンタトニックフレーズで中指チョーキングが頻出」ということです。例えばよくあるペンタトニックの1~3弦ボックスポジションで2,3弦のシンクロナイズドチョーキングを織り交ぜたフレーズですが、薬指のチョーキングを使用する人が多いと思います。僕自身そうなのですが、これは「異弦同フレットは同じ指を使用する」というフィンガリングが視覚的には合理的に思えるからだと思いますが、竹内さんに教えていただいたところ例えば2弦8フレット1音チョーキング、1弦5フレット、1弦8フレットをハンマリング+プリングのようなよくあるぺンタフレーズでシェンカーは2弦8フレットを中指(通常はここを薬指にする人が多い)でチョーキング、1弦8フレットは薬指でこなすことが多いそうです。シェンカーファンからは「そんなことわかってるぜ」といわれてしまいそうですが、僕は今日この事を学びました。もっとも中指でチョーキングするのは慣れていないですし、ストレッチ気味にもなるので鍛えないと竹内さんのようにはいかないと思います。竹内さんが帰られた後早速やってみたのですが、10年ぐらい練習積まないと・・・薬指を多用するフィンガリングに比べると同じ音使いでももっと滑らかなニュアンスにもなるように思います。これは取り組んでみたい課題!

上の動画で使用している機材はいつものデモ動画と同じで、Fender Vibro Kingクリーンセッティングで歪はWEEHBO Effekte JTM Driveの歪をメインに、Xotic BB Preampでゲインブーストしています。単純にプラグインしただけでEQはいじらずに弾いています(アンプもペダルもすべてフラットなまま)。ピッキング・フィンガリングともにしっかりコントロールできないと結構トレブリーになりがちなセッティングなんですが、それでここまで演奏できるのはうらやましいです。やっぱり手が大事なんですねぇ。

竹内さんは現在Significant Pointというパワーメタル系のバンドと、Barbatosというパンク・スラッシュ系のバンドに参加されています。Significant Pointではコンポーザー&ギタリストでCD発表の予定もあるとのこと。Barbatosは90年代から活躍しているバンドでCDも何枚か発表しているのですが、竹内さんが合流してからのCDもあるそうですのでご興味ある方は是非チェックを!

Significant Pointサイト ⇒ http://nanos.jp/significantpoin/

Barbatosの音源⇓

 

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お客様がご自身でパーツを組み立てた小ぶりなコンポーネントストラトタイプ。

上の写真、当店のお客様ご自身がパーツを集めて組み立てたギターです。フレット交換・ナット交換のみ当店でやらせていただいています。

ボディは少し小さめのストラトシェイプ。ネックはオークションでゲットしたという66年製のムスタングのネック。小さなボディにショートスケールのネックを合わせるというアイディアが面白いです。ブリッジはウィルキンソンですが、ボディがもともと別のスケールのネックに合わせられていたものだったそうでご自身で弦長を測ってウィルキンソン取り付けのスタッドも付け直しています。おの作業は結構シビアなのですが、音程も問題なくできています。写真をみると元々はフロイドローズタイプのトレモロが搭載されていたボディでそのスタッドの穴も残っているのがわかります。PUはJoe Burdenをボディに直付けしています。カバーをかぶせているので見た目はLace Sensorみたいです。小ぶりなボディのせいかシングルサイズPU2発で見た目のバランスもイイ感じです。

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お客様ご自身が取り付けたウィルキンソンのトレモロ、Joe BurdenのPU。元々は2ハムだったボディですが、特にそれを隠すことをせずにそのままシングルサイズのPUを直付けしているのが男前です!

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ネックは豪華に66年製のMUSTANGのもの。ボディに組み込んだ時の見た目のバランスもとれていていい感じです。フレット交換とナット交換のみ当店でやらせていただきました。

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ペグはGOTOHのマグナムロック。ポストの高さも調節できるタイプでストリングリテイナーは取り外されています。

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ちょっとわかりにくいですが、このボディ、ネック取り付け部分はスラントになっていてハイポジションの演奏性が高められています。電気は手持ちのパーツで組み立てたそうです。特に特別なところはないですが、トーンのキャパシタはプッシュプッシュスイッチで選べるようになっています。

「小ぶりなストラトタイプをパーツを集めて作ってみる」というのがこのギターのオーナーさんのコンセプトだと思いますが、とても面白いギターに仕上がっていると思います。今日お客様が引き取りに来る予定だったのですが、その前に少し遊ばせてもらいました。

自分でブリッジを取り付けるのはしっかり弦長を把握して正確な位置決めをする音が必須でハードルの高い作業ですが、こちらは音程もちゃんとしています。トレモロの安定性も申し分なく、市販のシンクロタイプのトレモロと同じような感覚で演奏できました。こういう世界に一本しかないギター、楽しいですね!

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昨年暮れにメンテナンスしたスキャロップのストラト、本日サウンドチェック。

トラスロッドが回し切られた状態で激しく順反りしてしまっていた上の写真のストラト、フレット擦り合わせで出来るだけ弾きやすさを獲得すべく、昨年末に作業を終えていました。年明けの営業初日にネックの状態を確認したところ、ほんのわずかに順反り側に変化がありましたが微妙な量でトラスロッドをほんの少し絞めて今度は一日後に確認(一度締め切ったトラスロッドですが、擦り合わせによって絞める余地を少し復活させています)。今度は変化は見られません。念のためもう一日様子を見ましたが大丈夫そうです。預かった時は09~046の弦ですが、念のため09~042に変更もしています。元々は1弦12フレットで3mmほどの弦高でそれでも音詰まりがありましたが、なんとか1.5mmくらいまで下げることができました。

サウンドチェック⇓

アンプはFender Vibro Kingでクリーン設定、歪はWEEHBO Effekte JTM Drive、Xotic BB PreampでゲインブーストしさらにBB Preampの歪もほんの少し混ぜています。

 

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Yngwie MlmsteenのCandy Apple Redを思わせるショップオーダーのストラト。スキャロップネックの順反り他のメンテで入院しています。

上の写真、「ネックが強い順反り状態でトラスロッドがいっぱい」「かなり弦高を上げてもビリツキやつまりが多発」という症状で当店に入院したスキャロップネックのストラトです。

「スキャロップネックは反りやすいのではないか・・・」という都市伝説があります。実際問題として特にイングヴェイタイプは指板を深くえぐっているのでノーマルに比べれば弱いと考えて差し支えないと思います。ただ、極端に弱いというよりは「比較的弱い」といった程度でやはり実使用上はちゃんと調整すれば問題はないと僕は思っています。

でも、今回入院のこの子はオーナーさんが中古で購入した際の調整で「トラスロッド絞めきりました」との宣告を受けていて、その後しばらくしてから見るとさらに激しく順ゾりしてしまった・・・つまりトラスロッドではもう調整できないという状態でした。なぜ反りが激しく進行したかがよくわからないので今後の保管に最新の注意を要するのは言うまでもありませんが、とにかく出来るだけ弾きやすさを取り戻したいという意向で持ち込まれました。僕もこのタイプのギターが大好きで以前パーツを合わせて組み立てたこともあり思い入れもあります。

先日のネックねじれの時と同じく、指板修正はかなりコストと時間がかかるので見送り、まずはフレットの擦り合わせでできる限り弾いやすい状態にするという事にしました。他にブラスナットの溝がダメになっていたのとサドルの幅が広いものが使われていてブリッジに合っていなかったのでこれらを交換することに。またサドルはトレモロプレートに近すぎるのも気になる点でした。

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フレットの頂点がローからは今でまっすぐになるように擦り合わせ。当然ローとハイのポジションが多めに削ることになります。写真はまずは高あお揃えたところ。1フレットと21フレットはかなり削ってあるのがわかります。

幸いにもミドルポジションはほとんど摩耗がなく、高さのあるジャンボフレットであること、さらにスキャロップネックでフレット自体の高さが低くても弾きやすさはそれほど変わらないので、思い切って削っています。仮にノーマルネックでビンテージスタイルの細いフレットではこの対応はできなかったと思います。

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フレット頂点の高さを揃えてから平らになってしまったフレットのエッジを削って形を整えて仕上げ研磨まで済ませたところ。ぱっと見で違和感はないと思います。

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左はローポジション。右はミドルポジション。フレットの高さが違うのがわかると思います。

ここまででとりあえずフレットの頂点がまっすぐにできました。もちろん、擦り合わせ前にトラスロッドも調整しなおして、弦を張った後の調整の余地が残るようにしています。次にナットですが・・・

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左写真:ナットの溝に分厚く接着剤が固まっていました。 右写真:指板のRは9.5inchなのですがオリジナルのナット底のアールは7.25inchできつめです。溝の底に接着剤の塊があることからナットのアールと溝底のアールがあっていないことが疑われました。

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溝の接着剤を取り除いて(左写真)底のRを確認したところ12inchくらい。確認が難しい箇所なのでアールの合わないナットを取り付けてしまいがちなのだと思います。付けた後ではわかりませんし。なので、新しいブラスナットの底は12inchで制作しました(中写真)。そしてナットを取り付けて弦の溝を切り、仕上げまで済んだのが右写真。

 

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下がオリジナルのブリッジ。上が今回交換に用いたRaw Vintageの10.8mm幅。下の方が少し幅が広くお互いに干渉するような感じになっていました。

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元々、弦高を調整するとサドルがトレモロプレートにかなり近くまで下げても弦高は高めになる固体でした。幅の合わないサドルがついていることもそうですが、この事もビリツキが多発する要因になっていたと考えられます。今回はネックポケットにメイプル材で作ったシムを仕込んでネック取り付け角度を調整、これで、弦がサドルを押さえる力も上がり以前よりも安定度が増したと思います。

 

 

サドル、ナットも取り換え、ネックポケットにシムを仕込んでネック角度を調整し、弦も張って(09~042)最初の弦高調整、オクターブ調整を行いました。弦高はとりあえず標準的な高さにしましたが、もう少し低くする余地もありそう。このブログを書いている今の時点ではネックは(正確にはフレットの頂点は)ストレートを保っています。ただ、お預かりした時にオーナーさんから聞いた話から、まだまだ変化する懸念も捨てきれないので、普段は一日開けて再調整のところを今回は年明けの営業日までこの状態で保管して、改めて調整をします。その時までにどれくらいネックが動くかは今後の保管方法を考えるうえでも重要な判断材料になるかと思います。

ここまでで本年の作業はすべて完了です。

今年も多くの方にHeavy Gauge Guitarsをご利用いただきまして誠にありがとうございました。このブログを見てくださっている方がにも感謝です。2017年は1月4日から営業開始予定です。今日紹介したスキャロップストラトがどうなったかは来年の最初のレポートで御紹介したいと思います。

では!

 

 

 

 

 

 

極端に片側が順反りとなっていたネックをメンテ。

極端に片側が順反りとなっていたネックをメンテ。

上のギター、「ネックの6弦側が順反りになっている」という症状で持ち込まれたギターです。実際に確認させてもらったところ1弦側は反りはわずかなのに対し6弦側は極端な順反り、トラスロッドを絞めるとその順反りは弱まるものの今度は1弦側が逆反りに・・・つまり「ねじれている」状態でした。上写真はメンテが完了した状態で、弦高も低めにセッティングできる状態にまで復帰していますが、預かった時はかなり高い弦高でも音詰まりなどが出る状態でした。

テクニカルな速弾きが華のHeavy Metal全盛時代に台頭した「極めて薄く平べったいネック」で、指板の修正で対処すると削る量が相対的に多く強度の変化が出そうで怖い上、ナット部分の修正とフレット打ち替えも加わってかなり費用がかさんでしまいます。ネックアイロンという方法もありますが、これっだけ薄いネックだと矯正してもリバウンドが出やすいようにも思いました。予算もできるだけ抑えたいというお話でもあるのと、「後でやり直しが出来る」という点で今回はフレットの擦り合わせだけでできる限り修正を加えてみることに。幸いフレットはジャンボサイズで高さに余裕がありました。しかし、削る量が一番少なくなるようにネックを調整した状態でも結構な順反りが低音弦側にあり、高音弦側もミドルポジションは結構削る必要がありました。

以下2枚の写真は実際にフレットを削り高さを合わせている途中。

ローポジション側。6弦側に行くほどフレット頂点の幅が広くなっているのはそれだけ低くなっているから。

ローポジション側。6弦側に行くほどフレット頂点の幅が広くなっているのはそれだけフレットを削っているから。1フレットの1弦側と6弦側に0.3~0.4mmくらいの(指板に対しての)高さの差が出来ています。

ハイポジション側。24フレットは1フレットと同様の高さの差があります。

ハイポジション側。24フレットは1フレットと同様の高さの差があります。

写真はないのですが、ミディアムポジションは上の2枚の写真と逆で1弦側が低く、6弦側が高いという状態。ただ、ローとハイほどの差はないようにしています。

擦り合わせは高さを合わせてフレット頂点を削り落とすだけではフレットの頭が平らになりすぎるので角を落とす加工も加えます。この写真はその作業まで終えたところ。

高さを合わせてフレット頂点を削り落とすだけではフレットの頭が平らになりすぎるので角を落とす加工も加えます。この写真はその作業まで終えたところ。上から見たところでは違和感はありません。

ローポジションでの1弦側と6弦側のフレットの高さの違いがわかるでしょうか。

側面から見るとローポジションの1弦側と6弦側のフレット高の違いがわかります。

フレットの頂点はほぼ揃っていますが、ただでさえ多い削る量を抑えるために頂点を完全にそろえるのではなく6弦側は若干の順反りが残る程度(標準的なネックの状態の範囲内)を狙いましたが、その通りに出来上がっています。それでもかなり1弦側と6弦側でフレットの高さが異なっていますが、太い弦の方がフレットがある程度低くなっても違和感を感じにくいので出来上がった状態で弾いて違和感なく仕上がりました。ミドルポジションは高さが極端に変わると違和感が出やすいと考えられるので、予めできるだけ差が少なくなるように調整していてこれも違和感なく弾けるようにできたかと思います。

・・・と、「すり合わせだけで結構何とかなるゼ!」といった感じでレポートしてしまいましたが、今回はジャンボフレットであまり極端な摩耗はなかっただったことと、トラスロッドが効いたこと、使用する弦が比較的緩めのテンションの弦(09~42)だからできたことで出来たことだと言えるかも。仮に高さが低く細いビンテージスタイルのフレットだった場合はやはり指板の修正までしないと難しかったと思います。

今回の作業を終えて今日で3日目ですが、その間レギュラーチューニングのままでネックの状態も良好、今日必要ならもう一度ネック調整するつもりでしたがその必要もなく安定しています。弦高は1弦12フレット1.1mmくらいで、3弦のアームアップ2音から2音半で弦がフレットにぶつかるくらい。激しいアップをしないならもう少し低くする余裕もありますが、お預かりした時の状態を考えるとすでにかなり低くなっているのでこの状態で持ち主さんに試してもらいます。

 

指板清掃・フレット磨き・全体調整等でお預かりしたヒスコレ60レスポール。

ヒスコレ60レスポールのメンテナンスです。

オーバーホールでお預かりしたGibson Cunstom ShopのヒスコレLes Paul60年タイプです。作業内容は指板清掃・フレット磨き、サビてしまったビスの交換、割れてしまったジャックプレートの交換、そしてネック調整、弦高調整、オクターブ調整です。今日は指板の清掃とフレット磨きの様子をレポ。

お預かりした時の指板フレットの状態。フレットに青錆びが浮いています。指板もちょっと汚れ気味で油気が不足でカサカサでした。フレット上の摩擦が大きくて引っかかるのでとても弾きにくい状態でした。

お預かりした時の指板フレットの状態。フレットに青錆が浮いています。指板もちょっと汚れ気味。油気が不足してカサカサでした。フレット上の摩擦が大きくて引っかかるのでとても弾きにくい状態です。

まずは指板をマスキングしてフレット上の青錆びを落とします。軽症であればスチールウールで磨いて落としますが、今回はフレットの内部にまでサビが侵食していたのでまずは800番~1200番の耐水ペーパーを使って錆び落とし。その後でスチールウールで仕上げ研磨。プチ擦り合わせといったところです。写真はスチールウールでの研磨まで終えた状態。

まずは指板をマスキングしてフレット上の青錆を落とします。軽症であればスチールウールで磨いて落としますが、今回はフレットの内部にまでサビが侵食していてスチールウールだけだと難しい状態だったのでまずは800番~1200番の耐水ペーパーを使って錆を落としました(プチ擦り合わせといったところです)。その後でスチールウールで仕上げ研磨。写真はスチールウールでの研磨まで終えた状態。

スチールウールでの研磨の後でコンパウンドで磨きのつやを出します。ウチの場合は4種類のコンパウンドを用意していて、状態によって複数種類を段階的に使って仕上げます。今回は3種類使いました。

スチールウール研磨の次にコンパウンドでさらに磨きこみフレットのつやを出しました。ウチの場合は目の異なる4種類のコンパウンドを用意していて、状態によって複数を段階的に使って仕上げます。今回は3種類使いました。

フレットを綺麗にしてからマスキングをはがした状態。フレット縁の汚れはレモンオイルを含ませて落とします。

フレットをピカピカにしてからマスキングをはがした状態。フレット縁の汚れはレモンオイルを含ませて落とします。

指板の汚れを落とした後で専用のオイルを塗布、しばらくしてから磨き上げて完成。上の写真と比べかなり指板の色が変わっているのがわかると思います。

汚れを落とした後でさらにローズウッド専用のオイルを塗布、指板に油っ気を持たせます。しばらくしてから磨き上げた状態が写真。上の写真と比べかなり指板の色が変わっているのがわかると思います。

指板・フレットのメンテナンスの後、弦を張りました。錆びたビスや割れてしまったジャックプレートも交換。今回の依頼では弦はelixerの011~049でやや太め。レギュラーチューニングでネックがかなり順ゾりだったので数日かけてじっくりトラスロッドを調整。今日ネックも落ちついたので試奏してみました。

やっぱり指板が綺麗になってフレットもピカピカだとスムーズに弾けます。PUはBurst Bucker 1&2。

サウンドチェック⇓

 

 

↑ Guthrie Govanが何かのセミナーで弾いているDonna Lee。数年前からのこの動画の演奏がお気に入りです。ジャズのスタンダードですが、この動画では「ルーパーで伴奏」⇒(以降ルーパーの伴奏バックに)「テーマ」⇒「ビバップ的(でいいのかな)な音使いのソロ」⇒「いかにもギターなカントリー的音使いのソロ」という流れで演奏、おそらく後半の二つのソロの部分はアドリブだと思われますが、とても印象的なメロディを弾いています。Guthrieはかなりの技術巧者ですが、「ギターならではのうたわせ方」を心得ていて、この曲のソロ部分でもおいしいフレーズを連発。Donna leeという曲はもともとテーマメロディがギターで弾くには難しいラインになっているので、この曲をGuthrieバージョンでコピーすれば中々の練習になりそう・・・と考え最近この曲のコピーに取り組んでいます。普段ロックばかりの僕にはかなり難しいものですが、Youtubeでこの曲のTabがアップされていてそれを参考にここ1か月ほど頑張ってきましたが・・・

コイツハムズイ。まずは伴奏。早速つまづきました。先のtabを参考に若干自分なりの運指に替えつつ形にはなってきました。でも、半音ずつコードが動くところや、最後のベースラインとコードがイイ感じのノリでからんでるところは手の動きが追い付かず(頭の中も追いついていない)、難儀しています。

そしてテーマ。前述の通り、ギターで弾くにはかなり大変なメロディ。クロマチックラインが多かったり、ストレッチ気味に左手を使う部分が多かったり、ロックやブルースでの典型的な指使いとは全く違う動きがあってかなり練習効果が!・・・まだ弾けないけどね。

テーマの次のソロはテーマの雰囲気を引き継いだ音使いで途中「ギターならではだなぁ」と思わせるピッキングフレーズも登場します。でもいざコピーしてみると・・・やっぱりムズカシイ。動画でGuthrieは簡単そうにさらりと弾いてますが、中々の強敵。取りあえず弾けるところだけはノリノリで弾いてみたりしてます。ムナシイ。

最後のカントリー風のパート。しっかりPUもチェンジしてるところも含めて笑っちゃうくらいに「ギターの演奏」になっている冒頭のチョーキングフレーズ、美味しいです。つづく速弾きパートはかなりの曲者。きっちり弾かれているのですんなりいきそうにも見えますが・・・最後の16分のフレーズ、僕としては未体験な指使い。クロマッチ多用で小節ごとに練習しているとなんだかわけのわからないフレーズですが、全体を把握して通して弾いてみると(もちろん超スローです)やっぱりメロディが意識された流れがあることに気づきます。馴染みのない指使いも実は合理的に動いているのもわかってきました。・・・弾けないけど。人差し指を一瞬で動かす部分がかなりの難関。じぇんじぇんできませんな。

まだまだ披露するにはかかりそうですが、いい感じの練習課題です。しばらくは取り組めそう。

男の、マーシャル。

男の、マーシャル。残すところヘッド一台。

4台のヘッドと4台のスピーカーを在庫していたMarshall JCM800、ついに残すところJCM800 1959 Head一台のみとなってしまいました。

ロックギターの代名詞、マーシャル。ヘッド4台、キャビ4台、つまり4段積みで2セット。重さにすれば200kg以上はあったのでは・・・当然かなりの大きさで店内でもひときわ目立っていました。デカイのはナリだけでなく音も爆音。なので動画もアッテネータを使用していました。

・・・残り一台さみしい限りです。

最後の一台をお買い上げの方にスピーカーケーブル Belden 9497-1SS(いわゆる「ウミヘビ」。しかも新品!)もおまけさせていただきます。

新品のウミヘビが付属してしまうのだった。

新品のウミヘビが付属してしまうのだった。

興味ある方はこちら⇓

Marshall JCM800 1959 Headラスト一台!