
メンテナンスでお預かりしたIbanez Destroyer 95年製。
80年代にハードロックやヘヴィメタルのギタリストに支持された日本製ギターの名機Ibanez Destroyerです。80年代のオリジナル「Destroyer Ⅱ」の復刻モデルで1995年フジゲン製です。しばらく弾かれていなかったギターなのですが、持ち主さんが近くライブで使用したいとのことで当店でメンテをさせていただきました。
80年代にギターを始めた人にとっては懐かしいギターだと思います。僕は80年代終わりごろにギターを始めたので、少し時代がずれてはいますが、以前参加していたバンドの5歳ほど年上の相方ギタリストがケーラーアーム付きのDestroyer(80年代のものだと思います)を愛用していていい感じの音を出していたのが印象に残っています。

フロントQM1、リアQM2ともに歪んだ音を重視したハイパワー系のPUです。見た目がD社のSにそっくりです。QM1の直流抵抗値は15.5kΩ、QM2は18.2kΩ。

ブリッジ。ブリッジ本体および各サドルをしっかり固定できるようになっています。弦交換が楽なテールピースはIbanezの他のモデルでも見られますが扱い易くて好印象があります。

ポジションマーカーはアバロン貝を使用した豪華なインレイになっています。フレットはジャンボサイズ。フレットの減り、ネックの状態などは全く問題なかったので指板の清掃、フレット磨きのみを行っています。お預かりしていた時は結構な汚れがありましたが綺麗になりました。

ヘッド。この形が好きな方も多いのでは・・・。
動画も撮ってみました。まずハードめな歪みで試してみました。アンプはFender Vibro King、歪はWEEHBO Effekte JTM DriveをメインにXotic BB Preampでゲインブーストしています。
歪を重視したピックアップだとは思いますがクリーンでも遊んでみました。
20年前のギターですが、ボリュームの不調と全体の汚れ、ネックの反りがある程度で致命傷はなく、比較的容易に復活しました。今回行ったメンテは以下の通り。
①ボリュームPOTを2つ国産品に交換、ジャックをSwitchCraft製に交換。
②指板のクリーニング。指板の汚れの除去、指板バインディングのササクレが多かったのでこれの削り落とし、最後にフレットをピカピカに。これで弾き心地はかなり滑らかになります。
③ボディやネックの塗装部やメッキ部のクリーニング。お預かりしていた時点では塗装部、メッキ部共にくすみやこびりついた汚れがありましたが、落とせるものはすべて落としました。メッキ部の輝きなどはライブでも映えるので見た目を綺麗にすることは重要ですが、汚れが振動の邪魔をすることもあるので本来の鳴りを復活させるためにもクリーニングは重要かと思います。
④弦はアーニーボールの09~42、チューニングは半音下げにセッティング。最後にネック調整、オクターブ調整、弦高調整、PU高の調整など基本的な調整を加えて完成!