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Yngwie MlmsteenのCandy Apple Redを思わせるショップオーダーのストラト。スキャロップネックの順反り他のメンテで入院しています。

上の写真、「ネックが強い順反り状態でトラスロッドがいっぱい」「かなり弦高を上げてもビリツキやつまりが多発」という症状で当店に入院したスキャロップネックのストラトです。

「スキャロップネックは反りやすいのではないか・・・」という都市伝説があります。実際問題として特にイングヴェイタイプは指板を深くえぐっているのでノーマルに比べれば弱いと考えて差し支えないと思います。ただ、極端に弱いというよりは「比較的弱い」といった程度でやはり実使用上はちゃんと調整すれば問題はないと僕は思っています。

でも、今回入院のこの子はオーナーさんが中古で購入した際の調整で「トラスロッド絞めきりました」との宣告を受けていて、その後しばらくしてから見るとさらに激しく順ゾりしてしまった・・・つまりトラスロッドではもう調整できないという状態でした。なぜ反りが激しく進行したかがよくわからないので今後の保管に最新の注意を要するのは言うまでもありませんが、とにかく出来るだけ弾きやすさを取り戻したいという意向で持ち込まれました。僕もこのタイプのギターが大好きで以前パーツを合わせて組み立てたこともあり思い入れもあります。

先日のネックねじれの時と同じく、指板修正はかなりコストと時間がかかるので見送り、まずはフレットの擦り合わせでできる限り弾いやすい状態にするという事にしました。他にブラスナットの溝がダメになっていたのとサドルの幅が広いものが使われていてブリッジに合っていなかったのでこれらを交換することに。またサドルはトレモロプレートに近すぎるのも気になる点でした。

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フレットの頂点がローからは今でまっすぐになるように擦り合わせ。当然ローとハイのポジションが多めに削ることになります。写真はまずは高あお揃えたところ。1フレットと21フレットはかなり削ってあるのがわかります。

幸いにもミドルポジションはほとんど摩耗がなく、高さのあるジャンボフレットであること、さらにスキャロップネックでフレット自体の高さが低くても弾きやすさはそれほど変わらないので、思い切って削っています。仮にノーマルネックでビンテージスタイルの細いフレットではこの対応はできなかったと思います。

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フレット頂点の高さを揃えてから平らになってしまったフレットのエッジを削って形を整えて仕上げ研磨まで済ませたところ。ぱっと見で違和感はないと思います。

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左はローポジション。右はミドルポジション。フレットの高さが違うのがわかると思います。

ここまででとりあえずフレットの頂点がまっすぐにできました。もちろん、擦り合わせ前にトラスロッドも調整しなおして、弦を張った後の調整の余地が残るようにしています。次にナットですが・・・

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左写真:ナットの溝に分厚く接着剤が固まっていました。 右写真:指板のRは9.5inchなのですがオリジナルのナット底のアールは7.25inchできつめです。溝の底に接着剤の塊があることからナットのアールと溝底のアールがあっていないことが疑われました。

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溝の接着剤を取り除いて(左写真)底のRを確認したところ12inchくらい。確認が難しい箇所なのでアールの合わないナットを取り付けてしまいがちなのだと思います。付けた後ではわかりませんし。なので、新しいブラスナットの底は12inchで制作しました(中写真)。そしてナットを取り付けて弦の溝を切り、仕上げまで済んだのが右写真。

 

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下がオリジナルのブリッジ。上が今回交換に用いたRaw Vintageの10.8mm幅。下の方が少し幅が広くお互いに干渉するような感じになっていました。

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元々、弦高を調整するとサドルがトレモロプレートにかなり近くまで下げても弦高は高めになる固体でした。幅の合わないサドルがついていることもそうですが、この事もビリツキが多発する要因になっていたと考えられます。今回はネックポケットにメイプル材で作ったシムを仕込んでネック取り付け角度を調整、これで、弦がサドルを押さえる力も上がり以前よりも安定度が増したと思います。

 

 

サドル、ナットも取り換え、ネックポケットにシムを仕込んでネック角度を調整し、弦も張って(09~042)最初の弦高調整、オクターブ調整を行いました。弦高はとりあえず標準的な高さにしましたが、もう少し低くする余地もありそう。このブログを書いている今の時点ではネックは(正確にはフレットの頂点は)ストレートを保っています。ただ、お預かりした時にオーナーさんから聞いた話から、まだまだ変化する懸念も捨てきれないので、普段は一日開けて再調整のところを今回は年明けの営業日までこの状態で保管して、改めて調整をします。その時までにどれくらいネックが動くかは今後の保管方法を考えるうえでも重要な判断材料になるかと思います。

ここまでで本年の作業はすべて完了です。

今年も多くの方にHeavy Gauge Guitarsをご利用いただきまして誠にありがとうございました。このブログを見てくださっている方がにも感謝です。2017年は1月4日から営業開始予定です。今日紹介したスキャロップストラトがどうなったかは来年の最初のレポートで御紹介したいと思います。

では!

 

 

 

 

 

 

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コメント
  1. […] スキャロップネックの順反りメンテ 2016年12月31日 […]

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