Gibson Lucille のメンテ①トグルスイッチの交換、ショート箇所の特定・対処

Posted: 2016年10月24日 カテゴリー: ギターショップでの一日
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フレット擦り合わせ、パーツ交換等でお預かりしているGibson Lucille。

フレット擦り合わせ、パーツ交換等でお預かりしているGibson Lucille。

たまたまですが、先日のES-345に引き続いてバリトーン回路搭載のステレオ出力Gibsonセミアコです。フレット擦り合わせに加え、ナット、ペグ、ブリッジ、トグルスイッチの交換等の依頼で預かっているギターです。ES-355のfホールをなくしたようなデザインで、バックパネルがあり、通常のセミアコに比べると配線作業はやりやすい・・・とたかをくくっていたのですがそうはいきませんでした。下の写真のとおりバリートン回路+ステレオ出力の本機は(おそらくはオリジナルと思われる)配線も入り組んでおり、古いトグルスイッチを取り出して新しいものに配線し直すだけでも結構手間がかかりました。加えてショートが起こっている部分もありその箇所の特定も難航。なんとか探し出して対処できました。

今回のショートですが、各部確認していって最終的にPOTに半田付けしているメタルネットのほつれた線の一部がメタルネット内のクロスワイアーの絶縁クロスを突き破ってフロントのHOT線にショートしていたことがわかりました。あるいはもともと絶縁クロスが痛んでいた部分があったのかも・・・。取り合えず、そのメタルネットのほつれ部分を切除し、配線の位置も少し移動、多少パーツが動いてもショートしないようにしました。普通はこんなことは中々起こらないことで最初はびっくりしたのですが(なので、なかなか場所を特定できなかった)、改めて見てみるとかなり入り組んだ配線で、メタルネットワイアーの本数が多いのと、それらを半田付けする箇所・量が多く、かなり苦心して配線したギターだという事がわかります。考えようによってはかさばるメタルネットワイアー以外もうまく使って配線を整理したほうが回路の信頼度は高くできて安心ですが、この辺はGibsonの拘りなのかも。取りあえずショートの件は持ち主さんに要報告・要相談です。

スイッチ交換の作業中。右が新しいスイッチ。レスポールや335など一般的なGibsonの2ハムギターと同じスイッチですが、つなぎ方は独特です。

スイッチ交換の作業中。右が新しいスイッチ。レスポールや335など一般的なGibsonの2ハムギターと同じスイッチですが、つなぎ方は独特です。

lucilleのキャビティ内。非常に入り組んだ配線がなされています。

lucilleキャビティ内。非常に入り組んだ配線がなされています。線がちょっと短すぎるところと長すぎるところが混在しています。メタルネットワイアーをPOTに半田付けしている部分は335などの普通のギブソン2ハムの配線に比べるとまとめる線の本数が多くてハンダも山盛り。そしてそれぞれのメタルネットワイアーがショートしないように絶縁もかぶせてあります。そこまでしてメタルネットシールド線にこだわるのがGibson流?きっとGibsonの作業員も滅多に扱わないタイプの配線で苦心しているのでは・・・。

 

バリトーン回路の一部分はリアPUキャビティ内に固定されています。

バリトーン回路の一部分(おそらくチョークコイル)はリアPUキャビティ内に固定されています。緑の線はロータリースイッチの基盤につながっています。黒の線はこのチョークコイルと思われるパーツのシールドカバーにいったん半田付けして茶の線でアースに落とされています。

これは先日メンテしたES345のバリトーン回路。今回のLucilleと同じ回路です。

これは先日メンテしたES345のバリトーン回路。今回のLucilleと外観・配線は同じ。やっぱり上写真のような入り組んだ配線でした。

今回のLucilleの電気部分は前回メンテしたES-345と同じ。上写真のシールドカバーで覆われた四角のパーツはおそらくチョークコイルで各PUに対してひとつづつとなっていると思われます。ロータリースイッチの2枚の基盤もそれぞれのPU用に割り当てられているものでしょう。キャパシターはなく、この基盤上でキャパシタの役割を担っているのだと思います。このあたりは現代化されていて面白いです。この回路がデビューした時代はまだこのような小基盤化は難しかったので、たくさんのキャパシタ―を手配線してさらに大変だったのでは・・・。

ジャック部分。両方につなぐとそれぞれのPUを別個に出力でき、左側だけつなぐと(中の配線はまるで違いますが)通常の2ハムと同じ出力になります。よくこんな配線を思いついたなぁと感心します。

ジャック部分。両方につなぐとそれぞれのPUを別個に出力でき、左側だけつなぐと(中の配線はまるで違いますが)通常の2ハムと同じ出力になります。最初にこの配線を考えた人、よくこんなの思いついたなぁ。

コメント
  1. […] Gibson Lucille のメンテ①トグルスイッチの交換、ショート箇所の特定・対処 2016年10月24日 […]

  2. 通空手形 より:

    初めまして!
    ES-345のカスタムを考えて色々調べているところ当サイトにたどり着きました!!
    他サイトに比べわかりやすく興味深い内容が揃っていて面白いです。
    ここでよろしければお聞きしたいのですが、バリトーンスイッチの配線はどの様になっておりますでしょうか?
    両5番にチョークコイルがつながることは分かったのですがその他がわかりません…
    ちなみに現状はES-335と同様の配線でチョークコイルとバリトーンスイッチは手元にあります。
    もしよろしければお教えいただけますと嬉しいです!

    • コメントありがとうございます。
      Gibsonのバリトーンスイッチの中身はモノラルとステレオがありますが、モノラルを並列に二つならべたのがステレオになっていたのだと思います。「gibson varitone wiring diagram」で検索すると配線図が出てきますのでご参考にしてください。

      あとは自分がどういった音にしたいのかで内容が変わってくるので何とも言えないところです。Gibsonの場合は要は「プリセットフィルタースイッチ」で、予めどの帯域を削るかを決めてそれに合わせた部品(キャパシタ、抵抗、コイル、スイッチ)を使うかを決めるわけですが最初に設計が出来ていないとなんとも・・・

      ロータリースイッチでもっと手軽にトーンのバリエーションを付けたい場合はGibsonのように帯域を選んでカットするのではなく、キャパシターだけを使用した「ローカットセレクター」にすると比較的簡単にできると思います。B.C.Rich風のギターなどで見られるトーンセレクターはこれの場合が結構あります。セレクトできる数もGibsonのような6点にこだわらなくても(実際多すぎて使いにくいという評価が多いと思います)、3点くらいでも面白いと思います。

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