EFFECTOR12:ゲインブースターとしてのオーバードライブ使用方法

Posted: 2014年4月5日 カテゴリー: Effector
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今回のお題は、半ば常識的なことなのでイマサラ感がぬぐえないのだが、敢えてここで整理したい。というのも、この手の歪みペダルは今や山のように種類があり、なかなかの完成度を誇る機種も多い。というか、方向性が異なるから「好み」の問題はあるが、基本的にどれも良い。私が学生の頃は選択肢が数種類しかなかったように思うが、今は選び放題だ。

最近Yahoo知恵袋をよく見ているのだが、ゲインブースターについての質問は多く、一つの質問に対する回答もまた多い。質問を見ているといきなり「どのペダルがいいですか?」的な前提や背景がわからない答えようのない質問に結構遭遇する。質問者にしてみれば、理屈は置いてさっさとペダルを手にしたいのだろうが、何のために使うものなのかということも押さえずに、単に「それがあれば(理由は知らないが)とにかく音が良くなる」という感覚なのではないかと思うことがままある。回答のほうも、前提が分からないからか、各自の趣味のペダルをお勧めする感じになりやすい。それはそれで良いけど、ネットの悪いところはここで発揮されてしまう。自分と違う趣味の回答に対して批判的なコメントしたり、あることないこと言ったりし合っているやつらが結構出没するのだ。それに私も時々だが知恵袋で我が愚かなる経験をもとにした私見を答えているので、他の回答者からちょこっと攻撃されたりもしているし、何よりも質問者にとって有意義な回答をするにはいろんな前提条件をつけなくてはいけないし、そうすることで回答が長くややこしくなってしまいがちだ。そんな状況があって質問者の役にどれくらい立てるかということにも疑問が残っている。質問された内容以外に答えるのはスペース的に大変だからこの場でゲインブースターとして使用するオーバードライブペダルについてベースの考えをまとめてみようと思ったわけだ。今回の話は自分の考えを改めて整理することと、知恵袋での前述の回答の背景を提示することが目的だ。

本題に入る。

まずこの手のペダルのツマミ(注:酒の肴ではなく、ノブのことです。)について。ツマミの名前の意味(=機能)を強調したいので敢えて日本語で表す。ツマミは基本的に3つが多く、それぞれ「音量」「歪量」「音色」の3機能についてそれぞれツマミがある。「音色」がない2ツマミタイプや、ツマミが4つ以上のタイプも結構見かけるが、これらは基本的に「音色」ツマミが省略されているか、逆に2つ以上にツマミに分けられていてより細かく設定できるタイプだ。いずれも「音色」ツマミは特定の帯域の「音量」を調整するツマミであると考えるのが一つのポイント。この「音色」ツマミを操作することでどの帯域をブースト・カットするかをコントロールするわけだ。

実際のエフェクターでの表記は

「音量」は「Level」「Volume」「Vol.」

「歪量」は「Gain」「Drive」

「音色」は「Tone」「FAT」「glass」「Bass」「Mid.」「 Treble」「EQ」など色々

Booster説明2 booster説明①

 

「ゲインブースター」としてのオーバードライブの使用方法は基本的に「アンプの歪み(基本の歪)を増大させる」という使い方である。だからオーバードライブ自体の「歪み」は極端に言えば使わないでも成り立つ。ここもポイントだ。

ゲインブースターとしてのオーバードライブペダルの設定は基本的に以下のようになる。

①    「音量」

エフェクターオフの状態よりオンの状態の方が大きくなるように設定。ゲインブーストの効果を大きくする場合はさらに大きく設定する。

Booster説明3level

↑音量(ここではVolumeつまみ)を高めに設定

②    「歪量」

基本的に最少にするのが「ブースター」としての使い方。好みで少し歪を加えても良いが、その場合は「ゲインブースト+(キャラクターの違う)歪を加える」という使い方になる。これによりより積極的に歪みをデザインできるのがオーバードライブの面白いところだ。これによりアンプの歪み(基本の歪み)に新たな個性を加えられる。

Booster説明3gain

↑歪(ここではGainつまみ)は低めに。私の場合はちょっとだけ歪みを足す設定。

③    「音色」

基本的にセンターに合わせて、実際にペダルをOnにして微調整する。

Booster説明3tone

↑各音色つまみ(ここではTreble Bass MidBoost)をセンターにしてから微調整。この写真の場合、Bassだけ少し強調している。3バンドEQでもtoneつまみひとつでもやり方は同じ。なお、つまみの名前が同じでも、機種によってカバーしている帯域は異なる。だから同じツマミ構成であってもオーバードライブごとにブーストされる帯域も異なり、それぞれのキャラクターが生まれる。

 

設定の仕方から実際にペダルを選ぶときのポイントを考えると・・・

①音量がペダルオフの状態より大きくできない機種はゲインブースターとしては使えない。音量を上げる幅がある程度あることが条件。+10~20dbくらいほしい。

②については現実的に少しだけ上げて味付けするということはよく行われるので、歪も好みのものであった方が良い。アンプなり、他のエフェクターなり他の歪みと混ぜて使う場合は、歪み同士の相性もあるので、選ぶときは自分が普段使っている基本の歪に近い環境で試したい。

③だが、まず前提を一つ提示したい。ゲインブーストをすると、一般的に(EQを一切操作しなくても)中低域の音がブーストされる傾向があるということ。このことは非常に大事なポイントで、最初期のオーバードライブのBOSS OD-1などは「音色」を操作するためのToneなどのつまみはなかったが、OD-1をOnにすることで単純にゲインブーストするだけでなく、気持ちよく中域が持ち上げられて音が前に出せた。この理屈は現代機種にもあてはまっていて、知識が少ないうちは単に「歪を増やす」という考えだけで使ってしまいがちだが、実は中域がある程度持ちあがっている。だから、ギターソロの時にブースターOnにすることで「音を目立たせる」ことが期待できる。仮に音色ツマミがなくても、そのペダルの中域のブーストの具合がちょうど気持ち良いなら不便はないし、かえって余計なツマミがない分設定も楽にできる。だから音色ツマミがない様なシンプルな機種も存在する。勿論2バンド、3バンドのEQではダメという事もない。それだけ細かく音作りできるのは、そのあたりを追求したい場合に重宝する。もっと突っ込んで考えられた機種では中域をパラメトリックタイプのEQにしたものもある。中域は音色のキャラクターを大きく左右するのでこうした機種もまた面白い。

Bass Trebleの2バンドEQでMiddleをブーストした音色設定ができるということも頭に入れておきたいことだ。初心者君からすれば「Middleツマミがないのになんで調整できんだ?」という疑問が湧くだろうが(私もそうでした)、BassとTrebleを下げ気味にして音量ツマミを上げるとmiddleが強調されたブーストされる。BassとTreble帯域をツマミを絞って低めにすれば、その分何もいじっていない中域が相対的に高めになる。この状態で「音量」ツマミをあげると中域が強調されたブーストになるというわけだ。中域はゲインブーストすればもともと持ち上がる音域ではあるが、さらに強調したりあえてカットしたブーストも2バンド以上のEQならある程度可能という事だ。先にも述べた通り音色ツマミを上げるということはその帯域の「音量」を持ち上げるという事なのである。だからこそEQが省略されることもアリな訳だ。

以上のことは「アンプで基本の歪を作る」という前提で述べているが、実はアンプクリーンで他のエフェクターで基本の歪みを作って、その前段にオーバードライブをつなぎ、必要に応じてブーストさせるという方法も同じ手法で成り立つ。私はここ数年この方法を使っている。後段の歪みエフェクターを「プリアンプ」としてとらえるということだ。この方法だと後段の歪みの後に空間系や揺れ系をつないでペダルボード上で音色操作の多くを完結させられるので、練習スタジオやライブ会場にクリーンに設定できるアンプがあれば、後は自分のペダルボードを持ち込んでセッティングも楽というメリットがある。私が大学時代に参加していた軽音楽部では多くのギタリストがこの方法で音づくりをしていたし、今でも多くのギタリストがこの方法を使っている。

200lbsDS-2を、BBPreampMBでブーストというのもアリ。

知恵袋で「エフェクターの歪はエフェクターでブーストできない。音がぐしゃぐしゃになる」という回答を見たことがあるが、それはたぶん2つの歪エフェクターの組み合わせの問題だ。例えば「音量」があまり大きくできない歪みペダルを前段にして、物足りない分歪みを足したらかえって汚くなってしまったなどはありがちだろう。エフェクターの歪を基本にしてオーバードライブでブーストすることは、前述の条件を満たしたオーバードライブを選択すれば実現できる。しかし、「自分の音の好みにあうかどうか」という視点でみればどの歪みペダルでも良いというわけにはいかないので、そこは自分で試してゆくほかない。実際のプロもエフェクターの歪を他の歪エフェクターでゲインブーストしている例が雑誌などでよく紹介されているのでそれらを指標にするのもよいと思う。

以上、ゲインブースターとしてのオーバードライブについてオイラのこれまでの経験と雑誌などで蓄積してきた知識を整理した。知恵袋質問者のみなさんに参考にしてもらえればうれしい。

コメント
  1. […] マーシャルは歪サウンドの代表として長年君臨していますが、JCM800までは全然ハイゲインではありません。「よく歪むアンプ」ではなく「歪んだ音で使われるアンプ」だったわけです。大音量が許されるプロギタリストでもマーシャル単体で歪を作っているばかりではなくオーバードライブでのゲインブースト、歪みのつけたしや、ゲインブーストの仕組みをアンプに内蔵してしまう所謂「改造マーシャル」も定番でした。ロック系のギタリストは「俺はマーシャル直さ!他には何もいらないね!」と発言するのが常でしたが、実際は場面によっていろいろ組みあわせてたり、ゲインブーストが内臓されていたわけですね。これは別に「歪が足りないから」という理由だけでなく「オーバードライブも混ぜた音がいい感じだから」という事でもありました。このことは「ゲインブースターとしてのオーバードライブ使用方法」でも記事にしているのでご興味あればご参照だくさい。・・・アマチュアは前述の「俺様は直アンだぜ!」に振り回されたりしているかもしれませんが、真相はそういうことで、「フルテンじゃなきゃだめ」ということは全くありません。 […]

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