木の教え

Posted: 2014年1月14日 カテゴリー: 雑言雑考
タグ:, , , , , ,

「木の教え」(塩野米松 著 ちくま文庫)という本を読みました。ギターの事は一切出てこないのですが、「木材の性質や癖」という点について非常に勉強になりました。一部分を大雑把に要約すると、「日本古来からの木材利用はその木材の癖・個性を把握し、それらをうまく生かすような形・技によって成り立っていた。寺社の建築などに宮大工によるそうした優れた技術を見ることができる。宮大工をはじめ、木工を生業とする者の中には何をどう作るかによって、使用する木材の(伐採前の)生育環境まで考慮に入れて材の選定が行われていたが、昨今は機械的に製材された材をそれぞれの材固有の個性を考えずに形とサイズに従って利用するのが普通になり、旧来の『木の個性』を生かした技術は珍しくなった。」というところです。木の個性、癖というのは硬さなどの性質に加え、どの方向に曲がりやすいか、どの部分がどのように変化するか、どんな形をしているか(最初からある程度曲がっている、木目の方向等)、木目の密度などです。宮大工は山に生えている木を見て、日当たり、斜面の角度、寒暖、生息密度等の生育環境からその木を製材した後に生じる癖を正確に予測し、伐採前の段階で寺社建築のどの部分に使うか等、具体的に詳細に利用を計画していたそうです。ギターもそうだと頼もしいですが、そこまでこだわったギターはめちゃくちゃ高価でしょう。太い弦を使っていると、やはりネックの反りに気を使うことになるのですが、反りの要因は弦のテンションだけでなく、この「木材の性質や癖」も大いにかかわる部分です。なので、木材の癖については非常に気になります。

楽器屋さんの友人に聞いたのですが、ギターのネックは季節変化によってごくわずかな収縮をするそうです。そういえば私も所有しているUSAのMM社のストラトネックで冬場にフレット端が少し引っ掛かるようになったことがありました。ほんのわずかにはみ出たフレット端を業界では「バリ」というそうですが、楽器屋の中にはそうしたバリをせっせと削って店頭に出すところもあるそうです。努力に拍手です。パチパチ。…で、昔のFender Japanなどで有名なギターメーカー富士弦のギターはネックがほんの少し縮んだ際にバリが出ないようにあらかじめ計算されていて、このバリ取りの作業がいらないとのこと。これって「木の教え」的な話ですが、個人工房ではなく、大量生産のメーカーとして行っているのはすごいことだと思います。富士弦さんは日本の誇りですね!

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中