低価格かつその音で人気のコーラス、Arion Chorus SCH-Zのモディファイ。

ちょっと前の話ですが、上写真のArion Chorus SCH-Zのモディファイの依頼を承りました。私自身はギターの回路はわかりますし、エフェクターなども自分でいじることもあるのですが、エフェクターやアンプなど音響機材の電気回路についての深いところは(もっとちゃんとしたその道ウン十年の)技術者さんに依頼しています。場合によってはお客様から買取ったエフェクターやアンプなどの修理・改造・メンテのアドバイスをいただくことも・・・今回もそうだったのですが予想の上を行く完成度で品物が帰ってきて驚くことが多いです。「その道ウン十年」パワーです。

話を戻して、上写真は完成した状態でお客様に返却時に撮影させてもらったもの。残念ながら動画はとっていないのですが、よくある方向のモディファイながら、いい感じに音も化けてくれたのでモディファイした背景と事後の印象を記しておこうと思います。

まず、主なご依頼の内容は以下の通り。

①トゥルーバイパス化

➁Chorus/Vibrate化

➁スイッチの変更

③Onにした時の音量差の解消

要は「そのまんま市販されているモディファイ品と同じようにしたいけど、モディファイ品を買い足すコストよりも安く改造できるならやってくれ!」という話です。そして前述の技術者にモディファイしてもらって帰ってきたのが下写真。

電気部分の改造は完了。これでお客様にお見せしたところ・・・「音はいいけど見た目はイマイチ」みたいな?

勿論①~③は満たしていますが、音自体も元々のものよりもハイファイでより透き通った感じに変化。SCH-Zはもともと人気機種ですが個人的にはあまり好みの音ではなかったのですが、モディファイ後は自分でも使いたい音に化けていて驚きました。早速お客様に連絡してきていただき試していただいたのですがお客様も「前より音自体がイイ!」という感想でした。

ただ、一つ不満も。それが・・・

④安っぽいノブもちょっとイイ感じのやつに交換

「せっかく改造したので見た目もキメタイ。ノブをかっちょいーのに!」というご要望が追加されました。お店にサンプルのノブがあるのでいくつか試しに取りつけていただいて選んだのが最初の写真のクリーム色のノブ。いかにも「モディファイしたんだぜ!」といったちょっと高級な雰囲気になりました。そういえばブティック系のエフェクターやモディファイ物なんかはこのタイプのノブが多いです。ノブもポイントなんですね~。

今回はArion chorusでしたが、他の機材でも何かあれば是非ご相談を!

既製のネックとボディを元にストラトを制作開始。

ご依頼いただいているリバースヘッドストラトのコンポーネントを開始。まず木部の加工。ちゃんとした既製のパーツはFender規格に準じているものが多いですが都合が悪い部分も多少あったりするので、実測を元に微調整などが必要な場合が多いです。

今回はお客様がご自身で入手されたWarmothのネック(左利き用ではなくちゃんと最初からリバースヘッド用に作られたもの)と当店で手配した国産の3ピースアルダーボディを組み合わせ。上写真のトレモロはGotoh製の一般的な仕様のものです。

今回のネックは既に取り付けビスの穴が開いていました。既製パーツは穴が開いていないものが多く、穴位置を決めるのもシビアなので助かります。でも開けられた穴の位置があっている保証はないのでまずは仮組して問題ないことを確認。使用する予定のビスは通常より太いものなので最終的には穴を広げる必要がありますがそれは最後の組み込みのときに微調整の余地にもなるので今はまだ広げません。

ネックは問題なく取り付けできました(仮組)。位置もOK。この写真はネックを取り付けた上でセンターとスケールを合わせてブリッジの位置を決め、そのビス穴もあけ終えてブリッジを載せてみたところ。

乗っけてみたブリッジを真上から。6本のビス穴がずれてないか確認。ここのビス位置の精度もチューニングに影響します。

スプリングハンガーのビス穴開けをしてビスがナナメになっていないか確認。OKです。キャビティの中心がハンガーの中心になるとは限らないのでブリッジ位置を決めてから位置決めという流れ。今回はキャビティの中心から少しずれた位置がベスト位置でした。端のスプリングがザクリの端に触れると駄目なのでそれも確認。メーカー品のストラトでもビスがナナメになってハンガーも傾いていたりスプリングが触れているのを見かけますが、やはり出来るだけまっすぐがチューニングの安定性確保には理想です。

左側は今回搭載するロータリースイッチ。以前このブログでも紹介したモードスイッチ(「Rainbow Tone Stratocaster / ストラトのサウンドバリエーションを増やす改造」参照)を搭載させるために通常センターのトーンが取り付けられる位置にこいつを取り付けるのですが、写真右の一般的なPOTに比べて幅がありボディのキャビティの拡張が必要になりました。

ピックガードの下に隠れる範囲でキャビティを少しだけ広げて、ロータリースイッチが入ることを確認。緑のテープはピックガード位置の罫書きのために貼ったもの。写真には撮っていませんがネックとブリッジのセンター合わせなどの罫書きも同じようにやります。

ロータリースイッチが余裕で収まる位の拡張が出来ました。勿論、ちゃんとピックガードの下に隠れます。

実際の作業風景の写真は撮っていないのですが、ザクリは電動工具と治具を使用して開けます。ちょうど良い治具はなかったので今回は治具も作りました。

今日はここまで。このあとはボディの木地調整→塗装という流れです。まだだいぶ先ですが完成が楽しみです。

 

 

先日完成したレスポール、011~052の弦を最初は半音下げ、少ししてからレギュラーチューニングにしてネックの様子を見ていましたが、今日まで弦は緩めずにネックは安定しています。ロッドも弦を張った直後に少ししか絞めていないのでひとまず安心。

今日はアンプから色々と音を出してみました。PUは57 Classicなのですが、直付けのためか他の57Classicが載ったLes Paulに比べて音がデカイ。ハムバッキングとシングルでの音量差ももちろんあるので、その差も含めて音色チェンジするのがポイントになりそうです。今日のところはいろいろ慣れていませんが・・・

まずはクリーン。動画ではToneを絞り気味にして指弾きでスタート。フロントPUのみ使用でミニスイッチでシリーズ、スプリットコイル、パラレルを切り替えています。アンプはFender Vibro King。

クランチ・・・と言っても強くピッキングすると結構歪みます。歪はWEEHBO Effekte JTM Drive。

先のクランチ(JTM drive)をXotic BB Preampでゲインブースト。

制作している最中はクリーン、クランチで遊ぶつもりでいたのですが、激しく歪ませても楽しいです。ビグスビーがあるのでボリュームやトーンの操作が難しいと思っていたのですが、バーの位置がどこにあるかを把握していないと迷います(笑)。でも思ったほど苦ではなく、遊んでいるうちに慣れそうです。動画には撮ってないですが、生音は大き目でバリバリ振動します。コイルタップの時はフロントでも結構パキパキになりますが57Classicのコイルタップとパラレルの音の差が少ないので、パラレル時はローカット経由にした方がもうちょっと差が出て面白いかも。あと、Toneノブのプッシュプルでガリノイズが出るのでそこは要見直し。接地面の裏表が平行でないのでそのせいかも・・・

しばらく遊んでから回路を少し変更したり、微調整する可能性ありですが、とりあえず満足な出来。しばらくはこのギターがメインの遊びギターに決定!

昨日のつづき。本日はひたすら各部のクリーニングと金属パーツの磨きです。単純ですが、実はこれが延々に続くという半ば拷問のような作業で非常に疲れます。でも、各パーツ、パネルなどの表面は勿論、隙間にたまった汚れはやはり振動の邪魔ですし、金属のサビや腐食は劣化を促進しますので気合いを入れてひたすらお掃除&磨きました。

まずはペグ。表面のくもりを取れるだけ除きました。ストリングリテイナーはサビが強く、復帰は難しいので新しいものに交換。

ボディの方に行きます。取りあえず金属パーツを取り外したところ。PUはLace Sensor GoldとSeymour Duncan Jerry Donahue APTL-3JDが搭載されています。ちなみに、この写真ではすでにボディトップはクリーニング済み。元々はピックガードやコントロールパネルの周り、下側などに汚れが堆積、あるいは汗などが固着していました。演奏時は見えない部分ですがなるべく余計なものは取り除く方が見た目も振動にも有利かと思います。

プレート類。写真上段は裏側(ボデイ側)ですが、汚れが縞になっています。ボディとの密着性を高めるためにも、こういった縞がなくなるように磨きます。放置すると弦アースとの接触が悪くなったりすることもあるので見えない部分ですが意外と大事。勿論表側も余計な汚れは落としました。

ネジもきれいにしました。左がBefore、右がAfter。汚れ・サビがひどい場合は交換してしまいますが、今回は後述のブリッジ以外はオリジナルのままで行けました。

最も汚れやすいのがブリッジ。本機のようなクロームメッキは比較的汚れに強いのですが、付随するビス類はスティール製でそこが結構錆びていたので新しくステンレス製のものに交換。サドルのイモネジやオクターブビスのネジ穴内部も汚れ・サビを取りました。写真下段左は元々のイモネジ。結構なサビ。写真下段中央はネジ穴内をクリーニングしている様子。これを下段右のように綿棒に汚れがつかなくなるまで繰り返します。サビがひどすぎるとこれがエンドレスになりますが、今回はだいたい3回ほどで綺麗にできました。ちなみにこのサドルはダイキャスト製。

ピックガードなどのビス穴にも汚れやさびがけついていますが、これも忘れずに綺麗にします。(Afterの写真を撮り忘れました)

各パーツのクリーニング&磨き後に組立てですが、その前に老朽化していた国産ジャック(手前に転がっているヤツ)をSwitchcraft製に交換しました。

組み立てて、弦を張りネック調整、オクターブ調整、弦高調整を行い、音詰まりなどがないかなどをチェック。このままネックの様子を見て、問題なければデビューとなります。

今回のDr.Kテレ、中古市場でも珍しいモデルなので気合を入れてレストアを行いました。ネックが落ち着いてからサウンドチェックしてデビューさせますがどんな音が出るのか今から楽しみです。

 

Dr.Kこと徳武弘文氏のシグネチャーTLのレストア開始。

Dr.Kこと徳武弘文氏のシグネチャーテレキャスター、TL62B-95DKのメンテナンス開始しました。まずはフレット擦り合わせ。最初の状態の写真を撮り忘れてしまったので、上の写真は既に擦り合わせをを終えたネックとボディんを並べて撮影。

元の状態ではフレットの凹凸がローポジション側各弦とハイ側のプレーン弦に見られました。また、12フレット前後は2,3弦の磨耗量が他より多くなっていました。

フレット擦り合わせを終えたところ。

ロー側。左側が元々の状態。各弦下に凹みが出来ていました。写真ではわからないですが、ナットの仕上げもやり直しました。

ハイ側。12フレット周辺は2,3弦の全体的な摩耗量が他より多く、フレット幅も広くなっていました(左写真)。擦り合わせで高さを揃え、フレットの頂点の幅もスリムになるように形状を整えました。

ブリッジのイモネジはサビついているので交換した方がよさそうです。

電気部分をチェック。スイッチ、ボリューム、トーンは掃除すれば行けそうですが、ジャックは端子がゆるゆるになっていて音が途切れます。ここはあとで交換。

本日はここまで。

 

以前からちょっとづつ製作していたLP Type 完成!

2年ほど前に機会があって入手したLes Paul Typeのボディとネックを元に密かに制作していたレスポールタイプ、本日完成!製作途中でほったらかしになっている期間が大分あってかなり時間がかかってしまいましたがなかなか自己満足度の高い一本になりました。

スペックですが、ヘッドの突板を少し厚みのあるエボニーを張った以外はボディ・ネックは通常のレスポールとほぼ同じ。ボディバックのパネルやピックガード、ロッドカバーは無垢の木材から削り出し、Bigsby B7搭載。ピックアップは直付けGibson 57 Classic、各PU毎にミニスイッチでシリーズ、コイルタップ、パラレルの切り替え。Master Volume、Master Tone、ノブはアルミ削り出しタイプ。Toneはプッシュプルスイッチでキャパシタ変更し、「トーンの効き具合」を選べるようになっています。

総重量4.1kg弱。ビグスビーを載せている割に軽いです。

塗装はラッカーですが、通常メーカーで行うやり方よりもだいぶ工程を省略しています。乾燥後の表面の研磨も省略(吹きっ放し)。色も載せなかったのでトップ材のままの見た目。

ピックガードは「グラナディロ」という材を削り出し。木製だと厚みが必要で、通常のレスポールタイプのブラケットはビスがボディにぶつかってしまうのと、せっかくの木目の真ん中にネジ穴を開けなければならないのが嫌だったのでセミアコのような取り付け方式にしました。といってもぴったり合うパーツは市販ではないのでブラスを削り出しで自作。それに合わせてビスもブラス製にしました。

コントロールはMaster Volume、Master Tone、それぞれのピックアップ(Gibson 57 Classic)のシリーズ接続(通常のハムバッキング)⇔スプリットコイル(黒ボビンの方のシングルコイルサウンド)⇔パラレル(両方のコイルをそれぞれシングルコイルPUとして出力)となっています。

ボディバック。塗装を簡略化しかなり薄い塗膜になっていて導管がはっきりわかるくらいにマホガニーの木肌がそのままになっています。パネル類はエボニー材で制作したものをブラスネジで止めています。

指板はローズウッド。フレットはミディアムサイズでサークルフレッティング。

ヘッドの突板はエボニーで、ここも塗装は吹きっ放し。トラスロッドカバーはエボニーを削りだして猫のシルエットにしてみました。

ペグはカバーがないタイプ。

製作開始した当初はスタンダードなレスポールコピーを念頭にしていましたが、作業を進めてゆくにつれて「Bigsbyを付けよう!」「ピックアップは直付けにしてみよう!」「57 Classicでコイルタップした音はどんなもんか試してみよう!」「プラスチックパーツはなるべく使わないようにしよう!」・・・といった感じで出来上がったのが写真の通りのレスポールからは少し離れたギターになりました。弦は011~052にしたのですが、ネックの性格がまだわからないので今日のところはチューニングは半音下げにしてあります。音も出してみましたが、通常のレスポールとはやっぱり違っていて面白いです。ネックが落ち着いたら動画撮ってみます。

 

LPタイプ用のパーツを木材で制作。

現在制作中のLPタイプに使うピックガード、コントロールキャビティのパネル、トラスロッドのカバーを木材で制作しました。右からグラナディロから削り出したピックガード、黒檀から作ったコントロールキャビティ部とトグルスイッチ部分のパネル、ちょっとお遊びで猫の形にしてみたトラスロッドカバーです。

グラナディロ材から作ったピックガード。グラナディロはローズウッドなどの代替材として「南米紫檀」という呼び名も使われている材です。非常に硬く頑張って磨くとエボニーのように表面に艶が出てくるのが特長。ギターの材としてはポピュラーではないですが、手工品のアコギのサイドバックなどに使われる例も。今回は強度を稼ぐためにピックガードとしては厚めの板材から削り出しています。形状は実際のGibsonLes Paulとは少し変えてあります。外側の側面は以前Chaki P-1用に制作した桜材を使用したピックガード同様に丸く凹みのある加工をほどこしました。

こちらはコントロールキャビティの蓋。制作しているレスポールタイプはヘッドの突板にエボニーを使ったのですが、その突板を作るのに入手した板材の残りを利用して作りました。

こちらはトグルスイッチキャビティの蓋。これも余ったエボニー材から制作。

こちらはロッドカバー。猫の形にしてみたのですが、取り付けたときに目立つのはちょっと恥ずかしい気がするのでこれもヘッドの突板と同じエボニー材から削り出し。かわいそうなことに留めネジの穴が頭に!

 

先日取り掛かったGrecoLS120CRSのメンテナンス仕上げ。

先日フレット擦り合わせをしてあったGreco LS120CRSの他の部分のメンテを実施。メンテナンス前は開放弦などでテールピースのどこかが共鳴してビリついていたのですが、原因はテールピースのゴールドの部分に4本のネジで裏側から止めてあったダイヤモンドインレイ(であってるかな?)のネジが緩んでいてビリついているのでした。単純に締めなおせばOKなんですが、実は下写真のように取り付け位置がセンターからずれていてのでその位置も修正するためにほんの少しだけ見えない部分を加工。精度の高さに定評がある日本製ギターですが、ひょっとしたら経年でねじを溶着した部分が歪んだのかな?

時計回り方向に少しずれてます。いやーん。

ダイヤモンドインレイを外すとこんな感じ。4つのネジで止めるのですが、ネジの位置自体が少しずれてました。

ネジ穴を少し修正してセンターに戻しました。

ちなみにブリッジの裏に「L5.S」と刻印があります。

バックパネルも木製なのは本家Gibson通り。しっかりコピーされています。この部分のオリジナルのネジは欠品していて径が細くてサイズもバラバラのネジに置き換えられていたのですが、今回5本全部ブラス製のものに新調しました。

さて、メンテを終えて本日は弦を張って少し試奏もしてみました。

先の記事でも触れた通り、元々は012~054の弦をレギュラーチューニングで張ってあり、本家のL-5SがGibson箱物の王者L-5CESから派生したモデルであることも考えるとJazzギタリストが好む太目の弦を張るか、一般的なライトゲージを張るかでとても迷ったのですが、ソリッドギターでJazz以外の方の方が興味を持つ人も多いように思えたのと、一般的な010~046にした場合、ナットの溝が広すぎないか(元々が012~で調整されていたギターなのです)も確認したかったので010~でトライ。結果的に010~でナットもそのままで大丈夫そうです。

音を出してみたところ思いの他軽やかな音です。もともと012~が張ってあってその音の印象が強かったせいか意外ではありましたが、2段階弦を細くしているので当然といえば当然かも。メイプルボディ、メイプルネックですし。トーンを絞ればジャズっぽくもいけますが、そっち系の音を出したい場合はやっぱり太目のゲージの方が向いているかも。

010~で弾いてみるとテンションはレスポールに同じ弦を張ったくらいの感触です。実は勘違いしていたのですが、このギターの弦長はミディアムでレスポールやES-175などと同じでした。L-5CESはロングスケールなのでそこから派生したL-5S、そのコピーモデルである本機もロングスケールだと思って疑ってなかったのですが、弾いてみるとレギュラースケールにしてはなんかテンションが柔らかい・・・ので改めて測ってみるとミディアムスケールであることが発覚。調べてみると本家GibsonのL-5Sもミディアムスケール・・・。メンテ前にGibson系のギターとしては張りの強い音だと感じてそれはロングスケールというのが要因の一つなんだろうなと解釈していたのですが、実は弦長が長いからではなく、太い弦を張っていたからということでしょうね、きっと。

さて、今回のLS120CRS、これでメンテはほぼ終了です。あとは少しネックの様子を見てから問題なければデビュー!

Gibson L5-Sのコピーモデル、Greco LS-120CRSのメンテナンス開始。

昨日からメンテナンスを開始したGrecoブランドのコピーモデル、LS-120CRSです。箱物エレキの王様Gibson L5-CESのソリッドギターバージョンとして70年代に生産されていたL5-Sのコピーモデルで88年から数年間しか製造されていなかった中古市場でも非常にレアなモデル。コピー度は非常に高く、こうしたコピーで省略されがちなマルチピースのネックやコントロールキャビティの木製カバーまで再現。Grecoの中でも高級機であったようでエボニー指板、ヘッドのインレイには本物のアバロン、多重バインディングなど細部までよく真似したなぁという逸品。

とりあえずばらしてます。ゴールドパーツの劣化が年代の割に少なめです。あとでこれらの金属パーツもお掃除。

ブリッジ部分。一度スタッド位置を変更した痕があります。

ピックアップはグレコのオリジナル(たぶんDRYというやつ)で1芯タイプ。ご来店されたお客様で「これをコイルタップできるようにして使ったら面白いかも」というお話がありました。本家GibsonのL5-Sだとカスタマイズはちょっと勇気がいるかもですがこうしたコピーモデルだとそういう使い方も抵抗が少ないですね。コイルタップ仕様にするには一度PUをばらして4芯に改造するか、4芯タイプの別のPUに交換するかです。

まずはフレットの擦り合わせを行いました。この写真は擦り合わせを終えたところ。

お客様から本機を買い取った時点では弦は012~054(3弦プレーン)が張られていました。レギュラーチューニングでネックほぼストレート、トラスロッドはきつめに絞めこまれていて残りの調整余地は少しという状態。010~など一般的なゲージで使う場合は余裕もありそうですが、ちょっと気になるところ・・・なのでそれも踏まえてのメンテ。悩むのは売りに出す時に貼る弦のゲージですね。Jazzな使い方もいいけど、ノーマルな弦でロックやブルースでも試してみたい。通常は010~を張るのですが・・・う~む悩ましい。

音はレスポールタイプと比べてよりはっきりした粒立ちで音のレンジも広い感じです(弦が太かったことも大きな要因かも)。来店されたお客様にも弾いていただいたのですが、トーンを絞ったジャズフレーズなどもイイ感じなのはやはり「L5からの派生モデル(のコピー)」ということなのでしょうか・・・ポジションによっては少し音が詰まり気味かなとも感じたので、まずフレット擦り合わせを実施。フレットの凹凸はごくわずかで削る量は少なく済む状態ではあったのですが、もともとL5-CESから派生したモデル(のコピー)であることを考えるとJazzギタリストが良く使う012~のセットでもトラスロッドにもうちょっと余裕を持たせたいと考えロー側とハイ側は少し多めに削りました。

フレットすり合わせ後の指板。もともと写真のように艶がありますが塗装してあるわけではなく、エボニー材(本機に使われているのは縞黒檀)は磨くと艶が出てきます。

つづく。

 

 

 

 

この動画のギタリスト、ここ数年で一番気に入ってるGuthrie Govan。このブログでもこの人がルーパーで演奏しているDonna Leeを私の練習課題しているという話を載せたことがありました。まだ練習継続中でお店のデモ動画に時々顔を出すこともありますが、本人のようには全く弾けません・・・。

そんなGuthrieの来日公演があるとの話をお店のお客様から伺い、先日Cotton Clubでの公演に突撃。来ている人はいかにもギター好きな野郎ばかり。プロの方も見かけました。やはりGuthrie、マニアからの注目度はかなりの高さとミタ。

曲はGuthrieのソロアルバムErotic Cakesからが中心。Youtubeでその超絶ぶりを何度も見ていたのですが、やはり生で見ると迫力が違いました。音の扱いは繊細さと大胆さが完璧にコントロールされていて、早いフレーズもしっかり歌っていますし、とても耳に馴染む演奏。どんなに音数が多いフレーズでも一音一音がしっかりと出ていて全体がぶれない。テクニカルなギタリストは山ほどいますが、頭の中の音と演奏がしっかりリンクしてると感じる人は非常に少ないと思います。ギタリストはどうしても手癖に走ってしまいがちで悪く言えば「単に手が動いて音が出ている」「(パズルのように)コードに合う音を落としていっている」という感じがままあると思いますが、Guthrieは「頭で鳴っている音をリアルタイムで再現している」という当たり前だけど実はとても難しいことが高次元でできる稀有なギタリストだなぁという事を再確認。もちろんアルバムの曲自体、多くの速弾きギタリストのアルバムとは一線を画す完成度の高さもあるとは思います。

今回のバンドメンバーも印象的でした。ドラム川口千里さん、ベースMohini Deyという20歳前後のねーちゃんリズム隊(と言ってもソロがすごかった)に安定の大御所・鍵盤に石黒彰さんという布陣。リズムの二人、音楽ファンの間では子供のころから有名で知っている方も多いと思いますが、真面目にすごかったです。若さもあるのか二人ともどっかんどっかん前に出てくる演奏が圧倒的でした。各メンバーが対等にスペースを共有して自己主張もしつつ、全体のバランスを取るのは複雑な楽曲が多いセットリストでは難しく、テクニカルなパートがうっとうしくなりがちだと思いますが、4人は臨機応変に演奏しながらも音楽としてのバランスが維持されていて、同じメンバーでアルバム作ってほしいなと思いました。映像作品も面白そう。

今回のライブではないですが川口千里さんの演奏⇓

こちらMohini Dey。インドの人だそうです。スゲェ。⇓

二人ともスゴイですよね~。

石黒さんの演奏もCoolでした。むしろこの人の鍵盤があってうまくまとまっていたと思いました。かなりの技術巧者3人、がっつり前にも出てくるリズム隊(という言葉がもはや合わない気もします)の土台も支えGuthrieの複雑な楽曲の色合いをしっかり出し自身のソロパートも味のあるフレージングで楽しませてくれました。

ずっと映像とCDだけで見てきたGuthrie、やっぱりすごかったです。またの来日を期待。