86年製のYAMAHA SG2000、ブリッジ下のブロックをブラス製から木製に交換。

持ち主さんから「音が金属的すぎるのでブロックを変えることで何とかならないか」というご依頼をいただいたYAMAHA SG2000 1986年製です。

SG2000はスルーネック構造+ブリッジ下のブラス製のサステインブロックによって超ロングサステインが得られるのが特長。80年代には有名ギタリストが使用していたこともあり人気機種だったそうです。

持ち主さんと相談して新しいブロックの材料はローズウッドを試すことになったのですが、せっかくなのでちょっと贅沢にマダガスカルローズから削り出しで制作して見ました。

ブリッジの下にブラス製のサステインブロックが仕込まれています。

取り外したサステインブロック。重量は135g。

今回制作させていただいたマダガスカルローズ製の交換ブロック。重量は15.7g。ギターの総重量で120gの軽量化にもなりました。

制作したマダガスカルローズのブロックはオリジナルのブラス製のブロックと完全に互換するように作ったので元に戻すのは容易です。音の方は狙い通り金属的な感じが薄れふくよかな感じになったと思います。

動画も撮ってみました。

最初にノーマルのブラス製ブロックの音。アンプはFender Vibro Kingでクリーンサウンド、シールドケーブルはBold Cable Solid、アンプ直です。

弦はDaddario EXL110(10-46)でノーマルチューニング、弦高は1弦12フレット1.5mm、6弦は2.0mmのセッティング。クリーントーンですがウワサ通りのロングサステインで油断しているとクリーンでも低音弦がボワーとくるので、もっとPUを離した方が弾きやすいかも。どのポジションでも弱く弾いても気持ちよく音が伸びてくれるのでフィードバックを効かせたリードプレイとか楽しそうです。

ここでブロックを交換します。

弦を緩めてブリッジを外して、ブロック交換、の図。検証のためブリッジのスタッドやブロックをボディに固定するビスは元々のものを流用。

ローズウッドブロックに交換した音はこんな感じ↓

勿論ギターのセッティングはブラスブロックの時と全く同じ。もともとスルーネック構造のためかローズウッドの超軽量ブロックに交換してもサステインは十分長めかと思います。音色の方は木材らしさがでてふくよかになった印象。動画だと差がつかみにくいと思いますが、実際に弾いてみるとかなりの変化が感じられ、僕の場合は弾きたくなるフレーズも変わったくらい。生音の感触も随分違っていてブロック交換の効果が絶大だったと思います。

SG-2000で音が固すぎると思っている方にお勧めの改造かも。

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修理でお預かりしたホローボディの2ハムテレキャスター。

以前の記事に書いたと思いますが、僕はFホールのあるギターが大好きです。音云々よりも見た目がツボなのですが、そういうわけでTelecaster Thinlineも好きなギターの一つ。上の写真は当店でフレットの擦り合わせなどの調整をさせていただいたホローボディのコンポーネントテレ。fホールはありませんが、アルダーのホロー構造は個人的にも興味深い仕様だったので、持ち主様に許可をいただいて今回記事にしました。

仕様はキルト杢のメイプルトップ、アルダーバックのボディ、Vシェイプのメイプルネックで指板はおそらくハカランダとのこと。PUはseymour duncanのAPH1(Alnico Ⅱ Pro)×2、トーンとボリュームがプッシュプルスイッチになっていてコイルタップ出来るようになっています。トーンのキャパシタは並列で2個取り付けられていて両方合わせて0.04μFくらいになっていました。

ボディバックはマホガニーでもアッシュでもなくアルダー。

⇓サウンドチェック。まずはクリーン。アンプはFender Vibro King。エフェクトナシ。

 

⇓クランチ。歪はWEEHBO Effekte JTM Drive.

当然ながらスタンダードなテレキャスとは全く違った方向性の音で、まろやかな印象の音でした。音だけ聞いたら誰もテレキャスとは思わないと思いますが、このギターそのものは弾いていて楽しく、しばらく弾きまくってしまいました。

Alnico Ⅱ Proのコイルタップは今回初めてだったのですが、シングルにした時の音も楽しめるもので、バランスもなかなかかと思いました。

335風ミニギターを購入。

時々、ミニギターについての相談をいただきます。「子供がギターを始めるのに小さいギターの方が良いのではないか」というお話が一番多く、次に「手軽に弾けそうで買ったけど、音がビミョー。なんとかならへん?」という話といった具合。お子様用という意味では小さいギターという発想は間違ってはいないと思いますが、「通常のギターより精度は落ちる・音程はアヤシイ場合が多い」という事を念頭に置く必要があります。また、子供が使うと言ってもある程度体が大きくなっているお子様なら普通サイズのギターで練習をはじめても大丈夫だと思います。大人でも「手が小さいので短い弦長のギターの方が良い」という考えの人もいますが、プロでも手が小さいギタリストはたくさんいますし、手が小さいなりの弾き方もあります。むしろ手のが小さい方の方が幅のあるポジションチェンジを普通に使いこなして幅のあるフレージングをしている方が多いようにも思います。例えば小学校高学年くらいなら普通サイズでも全然OK化と思います。

基本的に「レギュラーサイズのギターよりかなり短い弦長」「レギュラーサイズよりかなり小さいボディ」であれば、そもそもレギュラーサイズと同じ音域が得意という事にはなりにくいのは想像に難しくないと思います。逆にいえば、ミニサイズに合った音域、得意な音域というのがあるとも言えます。ミニギターの調整の依頼を受けた際はこの辺のことも勘案してセッティングさせていただくのですが、通常より弦を太くするのと、レギュラーチューニングにしてみてもイマイチならチューニングを高めにするのが良いのではないかと思います。

でもやっぱり「ミニギターをレギュラーチューニングで使いたい!」という人も結構いるのでは・・・僕自身、ミニギターは大好きでK.Yairiのノクターンfホールモデルを愛用しています。弦長は570mmなのですが、レギュラーチューニング(弦はミディアムゲージ013~056)でいい感じの音で鳴ってくれます。なのでこれくらいの弦長があればレギュラーチューニングでも行ける可能性が高いのではないかと思います。

今回購入したGrass Rootsは520mmとかなり短いスケールです。楽器店でこのシリーズを見かけるたびに「かわいいギターだなぁ」と思って興味を持っていました。弦長がすごく短いですし、演奏性は多少なりとも犠牲にしたある意味での「おもちゃ」的な立ち位置のギターだと思いますが、ちゃんとセットアップすればちょっと遊ぶには面白いギターで、ここ数字はこればっかり弾いています。

335タイプがないので手持ちのES-330と並べてみました。写真に撮るとそれほど小さくないようにも見えるかもしれませんが、実機を見るとかなり小さく感じます。

通常サイズのセミアコのケースに入れるとサイズの差がよくわかります。ぶかぶかです。

G-SA-Miniは定価5万くらいですが、今回特価になっていたものを通販で購入。届いたものは正直なところかなり雑な作り・仕上げだったのでまずは以下①~③の通り手を加えました。

①フレットの高さがバラバラ出音詰まり多発だったのでフレット擦り合わせ実施。フレットのバリもひどくエッジが引っかかるのでその加工も。ちなみにフレットはジャンボサイズになっています。

➁ペグブッシュが全てナナメに浮いていたので押し込んでみたのですが、きれいに収まりませんでした。ブッシュを取り外してみたところブッシュを突っ込む穴がナナメにあいていました。少しでもまっすぐになるように穴を拡張しながら補正、コンバージョンブッシュで日本製のクルーソンタイプGOTOH SD90に交換。(ペグ自体はオリジナルの中国製でも大丈夫そうだったのですが、ポストの径がコンバージョンブッシュの内径と合わなかったのでGOTOHに)。

③ブリッジのスタッドはメス側、オス側共に遊びの多い精度で、なおかつボディ側の穴も少し緩く(メス側のスタッドが浮いている)、ブリッジがかなりぐらついていました。弦長が短いのでブリッジが動いたときにチューニングのずれも大きくなると考え、しっかり固定できるように改造(詳細は秘密)。これに伴ってブリッジは手元にあったKTSのチタンサドルが乗った日本製のABRタイプに交換。ついでにテールピースも手元にあったGOTOHアルミ製に交換。

ボディとネックは小さくなってますが、ブリッジ・テールピース・PUなどはレギュラーサイズのもので一般的なパーツに容易に交換できそうです。ピックガードは専用ですが、エッジのバリがすごかったので仕上げをやり直しました。写真だとわかり難いですが、塗装はシースルーで下地のメイプルの木目が見えていていい感じです。

 

ボディバック。実はこのギター、「セミアコースティック」ではなく「セミホロウ」構造です。トップはソリッドのメイプル材でバックはソリッドのマホガニー、マホガニー側の内部をくり抜いた構造です。バックはアーチ形状にはなっておらず、335というよりは「ホロウ構造のfホールの開いたダブルカッタウェイのレスポール」のような感じです。

コントロールは一般的な2Vol.2Tone。今回電気パーツは手を加えていませんが、ボディバックからアクセスできるので交換はやりやすそう。PUはリアの方が少し高出力です。

フレットは製造時にしっかり擦り合わせをしていないようで、エッジ部のバリもすごくあまり手をかけて作られていないように思います。今回は自分で擦り合わせを実施して演奏性を確保しました。やっぱりミニギターというよりトイギターに近い?

ヘッドにはちゃんと角度がついています。ミニギターだとサイズの都合もあるのか、ロトマチックタイプの小さなペグがついている機種が多いですが、本機はクルーソンタイプ。ただ、前述の理由でもともとクルーソンタイプペグを外しGOTOH SD90に交換。

今回弦は12-54、3弦プレーン(Daddario EXL145)を張って、弦高は1弦12フレット1.6mm、6弦は2.0mmにしてみました。メーカーデフォルトは12-53、3弦ワウンドのセットのようですが、ロック的な演奏が主体の僕としては3弦はプレーンが良いし、自分のストラトで使い慣れているセットなので・・・

最初レギュラーチューニングにして弾いてみました。そこそこ遊べる感じではありますが、ちょっと音程が微妙な気もしました。ハイポジションの方でもリードは行けますが、和音は油断すると音程が気持ち悪いことがあります。響き自体はミニギターによくあるあんまり響かない感じで、サスイテインも弱いです。

試しにチューニングを1音上げにすると随分響きが良くなり、サスイテインもそこそこになりました。やはり小さいサイズだと高域寄りのセッティングの方が生き生きする感じです。ナット幅はおよそ42mm、ネックの厚みはレギュラーサイズのギターと大差はなく、握った感じは「小さすぎる」という事はなく、ちゃんと演奏できます。このチューニングだとハイポジションの和音もOKです。フレットの間隔が狭くてフィンガリグが込み合いますが、逆にレギュラーサイズでは難しいフィンガリングが簡単に出てきたりするのが面白いです。ちょっと遊ぶには楽しいギターです。

⇓こんな感じです。

 

 

 

やっと完成!リバースヘッドストラト!

制作に時間がかかってしまっていたリバースヘッドストラト、本日コンプリート!Mさん、大変お待たせいたしました!

制作前の段階。ネックとネックプレートは依頼主さんが持ち込まれたもの。ボディは当店で用意した国産の3ピースアルダーボディ。

依頼主さんが持ち込んだワーモスのネックとチタンのネックプレート以外は相談の上で当店で用意したパーツを使用しました。高級志向ではなく、「一般的なもので質も良いもの」ということでペグやトレモロはGotohのスタンダードなものを、PUは低価格な割にサウンドバランスが取れているFender Tex-Mexをチョイス。制作途中は以下参照。

リバースヘッドストラトキャスター制作①

リバースヘッドストラトキャスター制作②

リバースヘッドストラトキャスター制作③

回路は当店オリジナルの3mode切り替え機構を導入しました。ストラトの配線改造でポピュラーなシリーズ接続や全PUを同時に鳴らすハーフトーンなども出せます。コントロールの詳細は以下リンクを参照。

Rainbow Tone Stratocaster / ストラトのサウンドバリエーションを増やす改造

PUはFender Tex-Mex、コントロールは1Vol,1Tone ,Mode Switch(センタートーンが3段階ロータリスイッチになっています)、5wayスイッチ。トレモロはGotoh製のスタンダードなシンクロタイプ。トレモロは勿論フローティング、アームをガンガン使用してもチューニングが安定するように調整も追い込んでいます。

制作の依頼をいただいた際、依頼主さんが持ち込まれたWarmothのリバースヘッドネックを使用しています。もともとフレット打ちまでされていたものを木目が浮き出るくらいの極薄塗装とフレット擦り合わせ、ナット製作と取り付けなどを加えています。見た目はヴィンテージ風ですが、トラスロッド調整がサイドアクセスになっていたり、握りも比較的薄めだったりモダンなネックです。

リバースヘッドなので、ナットへのテンションが通常と違っていて弾き心地もその影響があるかも。ペグはGotohのSD91でオーソドックスなクルーソンタイプ。ナットは牛骨。

ボディバック。スプリングはRaw Vintage。バックパネルは必ず取り付けなければならないものではないのでネジ穴は明けていません。

依頼主さんが持ちこまれたKTSのチタンネックプレート。

細かいことですが、ストラップピンはクッションもかませています。

サウンドチェック!

クリーン。アンプはFender Vibro King。

クランチ。歪はWEEHBO effekte JTM drive。

先のクランチをXotic BB Preampでゲインブースト。

今回かなり予定が押してしまいました。依頼主さんが「遅くなっても大丈夫」と言ってくれていたのに甘えていたのもあるのですが、作業スペースの都合で特に塗装工程で一時中断することが多いのが課題になっています。この年末に課題解決を目指して店内の内装に手を加えてもっと効率よく作業が進められるようにスペースを確保する予定です。

とにかく無事完成して一安心。

 

 

セミアコの配線

Posted: 2017年12月5日 カテゴリー: ギターショップでの一日

パーツの取り外し&取り付けが大変なセミアコの配線。

epiphone RivieraとES-335、続けて2台のセミアコの配線作業を行いました。上の写真はさっきPU交換を行ったES-335で、配線作業を終えて各パーツをボディ内に戻して固定、ちゃんと配線されているか、パーツを戻す際に断線やショートが起きていないかを確認するためにアンプにつないで確認しているところ。この335の場合、手前側のfホールから各パーツを出し入れするのですが、元に戻す際には上写真のVol.、ToneのPOTに結び付けられている紐で引っ張り上げます。ギターによってはリアPUのキャビティ側面が比較的広めに開口していることもあって、そこから出し入れする場合もあります(先にパーツ交換を終えたRivieraはこのタイプでした)。どちらの場合もボディ内にパーツを落とした段階で紐が絡んだり、各パーツをつないでいるケーブルが絡んだり、ボディの内側からPOTなどで挟む歯ワッシャーが一時行方不明になったりなどしてしまいやすく、根気が必要な作業かと思います。それだけにうまく戻せたときは達成感も。写真の335はトーンについているキャパシタがでっかくて(復刻bumblebeeがついていました)fホールからの出し入れは特定の向き・角度でないと通過しないので難儀しました。強引に出し入れすればfホール部分の破損や配線したパーツの破損、断線などのトラブルを生むので禁物なのですが、パーツを取り出す際になかなか出てこないことも多く「どうやって入れたんだ?」と思うこともしばしば。でも必ずうまく入る向き・角度があるはずなので知恵の輪のような感じでじっくり取り組んで対応します。

ナットを押さえつけるテンションをかせぐためにヘッドを削りリフィニッシュ。

60年代のものと思われるTeisco のモズライト風ギター、V-2です。ヘッドトップのリフィニッシュ等の改造でお預かりしていたのですが、本日すべての作業が完了しました。1960年代のギターとしては奇跡的なほど良好な状態ですが、そもそもの仕様上、サステインが弱く、音の張りがない感じだったのですが、それを改善できないか、以下の方法でトライしました。。

元々、ヘッドの角度がかなり緩い構造のためナット部の弦の角度が緩く、弦がナットを押さえつける力が不十分で弦の振動が0フレットとペグポストの間に逃げまくっていると考えられました。設計上仕方ないことではあったのですが、ヘッドの厚みがかなりあるヘッドでもあったので、リフィニッシュの際にヘッド表面を削り、ヘッド厚を2.2mmほど薄くすることで0フレット部の弦の角度を増やすという試みを実行。

リフィニッシュしたヘッドトップ。元々はボディと同じサンバーストでしたが、ネック材の木目がそのまま生かすクリア塗装(ラッカー)で仕上げています。

元々のヘッドトップはブルーのライン。それを赤のラインまで削り落としています。削り落とした状態でもヘッドの厚みは約16mmあります。まだ現代のギターと比べれば厚い方ですが、これ以上削ると残るバインディングが薄くなりすぎてしまうのと、ネック材に用いられている木材が何なのか不明でちょっとコワイのでここまで。ペグは高さを調節できるタイプに交換、ペグの高さも低めにしてここでも角度を稼ぎました。

目測ですが3,4弦で15~20°くらいには出来たかな?2mmけずっただけでも随分変わりました。もともとはナットの上側に弦の上側が出ていてチョーキングをするとナット溝から弦が外れてしまうほどだったのですが、改造後は弦はナット溝内にほぼ隠れていてその心配も解消。

ペグはGOTOHのSD90HAPに交換。ペグポストの高さがかなり広い範囲で調整できて便利です。

改造を終えてから弦を張って弾いてみたところ、元の状態に比べて張りのある音に変化しました。弦を思いっきりはじくとまだ少しナットとペグの間に振動が逃げますが、もともとに比べると劇的に改善したかと思います。

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製作途中のストラトのボディにパーツ組み込み。

 

もう間もなく完了するリバースヘッドストラトの制作。ボディの塗装乾燥が完了したので仕上げの研磨を加えてから各パーツを組みこみました。62年タイプの3plyピックガード、ピックガードを止めているビスはステンレス製。ノブなどはミントグリーンをセレクト。トレモロはシンプルな6点止めシンクロタイプのGOTOH GE101でトレモロブロックはスティール製。スプリングはRaw Vintageに。塗装は木の目が浮き出るくらいに薄くしています。同じような塗装を行ったEric Clapton Stratocatserを先日販売させていただいています。

搭載電気パーツ詳細は ⇒ リバースヘッドストラトキャスター制作②

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スプリングはRaw Vintageを取り付けました。トレモロブックはオリジナルストラトと同じくスティール製。

 

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ボディ裏のトレモロのキャビティーは塗装は載せていません(木部むき出し)。表側のコントロールキャビティも同様にしています。マスキングの手間がかかるのでこちらの方が大変。

 

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ネックはもともとフレットが打たれているものを使用していますが、フレットの高さ精度を高めるために先日までの塗装の乾燥を経てからフレット擦り合わせとフレットサイドのエッジ落としを実施しました。その後最終のクリアを吹いているのであと少し乾燥を継続しているところ。

 

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フレットの擦り合わせとフレットサイドのエッジ取りを済ませました。ナットの取り付けも済んでいますので、あとは乾燥後にペグ、ストリングリテイナーを取り付け、ボディに取り付けて弦を張ってナット溝を加工して調整で完成します。

 

スケジュールが押していますが、来週には音出しまでできるかと思います。(Mさん完成が遅れて申し訳ありません。)

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長い間放置されていたGreco Flying Vをレストア!

当店でレストアさせてただいた1982年製のGreco Flying V Type、先ほど依頼主さんが受け取りにご来店。実は依頼主さんは以前もGibsonのFlying VのメンテナンスなどをさせていただいているへヴィメタルバンドSignificant Pointなどで活躍されているギタリスト、竹内さん。まずは元の状態とレストア後の外観の違いに驚かれていました。

元の状態⇒ Greco Flying V Type 1982年製 レストア ①Before

現在の状態⇒ Greco Flying V Type 1982年製 レストア ②After

そしてサウンドチェック、今回は実際に竹内さんに試奏していただきました!動画をどうぞ。

演奏性、サウンドともにご満足いただけました。竹内さん、ありがとうございます!

やはり依頼主さんに喜んでいただけると私としてもとてもうれしいです。Heavy Gauge Guitarsでは今回のような古いギターのレストアを結構やらせていただいていますが、元がしっかりした楽器であればたとえ新品時の価格が高い楽器でなくても、長い期間放置されてボロボロであってもメンテナンス次第でいい感じに蘇ることが多いと思います。むしろ、経年によって古い楽器ならではの味わいが加わっているので満足度も高いのかもしれません。もちろん相応のコストはかかりますが、思い入れのある楽器であればそのコストに見合った満足が得られるのではないかと思います。

82年製グレコFlyingVレストア完了!

かなり汚れていて電気部分にも故障があった1982年製のGreco Flying Vタイプのレストア作業が完了しました。

元々の様子はこちら ⇒ Greco Flying V Type 1982年製レストア ① Before

以下、各部見ていきましょう。

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ボディはこんな感じ。塗装部やピックガード、金属パーツなどの汚れ・腐食を取り除き、塗装の仕上げに用いる研磨剤(メーカーが塗装後の仕上げに使用するのと同じもの)で塗装部表面を磨き上げました。打痕や傷、焼けがイイ感じで残り、渋い外観に仕上がりました。汚れをとr除くことの効果は美観だけでなく、音もより響きやすくなるので結構大事です。

 

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指板。フレット表面の青錆び、くすみを取り除き鏡面になるように磨き上げました。その後指板上の汚れをクリーニング、最後に専用のオイルやワックスでローズウッドのコンディションを整えました。フレットを磨き上げることで弾きやすく、なおかつ音も響きやすくなります。曇ったままだと弾きにくい上、フレット・弦の磨耗が早くなってしまうのでフレットのコンディションを整えるのはかなり大事。ローズウッドの指板はもともと乾燥してカサカサでしたが、これも弾きにくくなるのと摩耗が早まる要因になるのでコンディションを整えています。

 

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ピックガードウィつけていない状態。焼けがあって経年を感じさせますが、Beforeと比べるとかなりきれいになっているのがわかります。

 

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クリーニングを終えたピックガード。こちらもボディ同様結構焼けが入っていますが、やはりBeforeと比べるとかなりきれいになりました。フロントPUの横のシールには搭載されているPUの名前「Screamin’」が印刷されています。このシール自体大分劣化しているのですが、今回はフロントPUはこのScreaminを綺麗にして再登載しているので、シールもあえて残しました。

 

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電気パーツはフロントPU以外はすべて入れ替えました。リアPUは今回のレストアの依頼主さんのチョイスSeymour Duncan SH-4 JBです。

 

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この画像ではまだ弦を張っていませんが、実際の最終的なPUの高さにしています。リア、フロントともピックガードからかなりPUが出ていますが、Flying VやSGなどではこのようになることが多いのですが、ここでちょっと問題(後述)があり、その対処としてリアPUの取り付けに赤矢印の箇所のスペーサー(樹脂製、自作)をかませて対処しています。

 

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左側がオリジナルのPU吊り下げビス、右は今回取り付けたSeymour Duncanと同じ規格のもの。ネジ頭の形状、大きさがかなり違います。オリジナルは「皿丸頭」と呼ばれているタイプでこれに合わせてピックガードのネジ穴もすり鉢状に加工されていました。一方seymour duncanの方は「丸頭」タイプで頭の径も大分小さいです。先の画像の通り、PUはピックガードからかなり飛び出るようなセッティングになるのでPUを吊り下げるているビスにかましているスプリングは短いものに換装しても(実際短いタイプに交換)限界までまで絞めこまれ、その結果、ネジ頭とピックガードのネジ穴の間には大きな負荷が発生します。そのまま吊り下げるとネジ穴が変形してPUが落ちてしまう事が考えられるのでまずは樹脂製の平ワッシャーをかませてみたのですが、PUを上げて行くと(吊り下げネジを絞めこんでゆくと)ワッシャーが変形してきてしまいました。次に金属製のワッシャーも試しましたが樹脂製より軽度なもののやはり変形。おそらくそのままで時間が経てばピックガードにワッシャーごとネジ頭がめり込んでしまい、最悪ピックガードのネジ穴が裂けて広がってしまう事が懸念されたので、今度は力がかかっても変形しないだけの厚みがあるワッシャー(先の写真の樹脂製スペーサー)を制作してかませることで解決。

 

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ブリッジ、テールピース表面の青錆び、腐食などを取り除きました。Beforeを見るとかなりすごいことになっていましたが、幸いこの画像のようにきれいにできています。サドルはメッキが落ちた部分からブラス製であることがわかります。金属パーツの腐食や汚れを落とすことで本来の響きが戻ります。磨いてもあまり変わらないほど劣化が進んでいる場合は新しいパーツに交換してしまう方が得策ですが今回はオリジナルパーツを生かすことができました。

 

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ブリッジのスタッドは矢印の箇所にサビが固まってしまってブリッジ高調整用のホイールが通過できなかったのですが、さびを落として通過できるようになりました。錆びていた箇所はメッキがすっかり落ちて黒く見えますが、機能的にはこれでOK。ここも錆びの浸潤がもっとひどかったらパーツ交換が必要でしたが幸いオリジナルパーツで復活!

 

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クリーニングを終えてブッシュを再取り付けしたヘッド。Beforeの写真とくらべてだいぶ綺麗にできているのがわかるかと思います。ナット表面も仕上げをやり直したのでいい感じで艶が出ています。

 

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ペグを取り付けて弦を張って完了!ペグ単体でのAfter写真を撮り忘れてしまいましたが・・・この画像でペグもかなりきれいに復帰できているのがわかるかともいます。

以上、レストア後の各部でした。

今回はブリッジの交換やフレットの打ち替え・擦り合わせなどは必要なく、これまで手掛けてきたものの中では比較的軽度な作業でしたが、Beforeの状態と比べれば外観は全く生まれ変わっているのがわかるかと思います。もちろん、基本的な調整や振動を阻害する汚れの撤去、古い電気パーツの入れ替えによって音の方も良好に回復しました。さて、依頼主さんは満足してくれるでしょうか?

 

 

 

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82年製のグレコVタイプのレストア前の状態。

父親から息子に引き継がれて、その息子さんからレストアの依頼をいただいた82年製のグレコFlying Vタイプです。今回主な作業は全体的に堆積・付着している汚れや錆びの除去、音が出なくなったリアPUとボリューム、トーン、ジャックなど電気パーツの交換。フレットの減りはありますが、フレット表面の腐食を取り除けばまだそのままでも十分弾きこめると判断して擦り合わせはなし。ブリッジの汚れがすごいのですが、オクターブ調整や弦高調整は問題なくできる可動性もあり前述の電気パーツ以外はほぼ交換なしでいけそうですが・・・細かい部分は作業を進めながらです。今日はまず解体と各所のチェック。

ボディトップ。元々は白系の塗装だと思いますがかなり焼けていて渋い色合い。傷のようなものも多数みられます。それに汚れの固着、埃の堆積が多数。アンプにつなぐとリアPUは音が出ません。ボリュームとトーンはひどいガリがあります。ジャックはクリーニングだけで使いまわしできそうですが、依頼者はライブプレイヤーで現場での安心ドを高めるためスイッチクラフトに交換します。がたつきの大きいスイッチも同様。ピックガードを止めているビスは頭が完全に錆びていて、ネジを絞めるとき&緩めるときになめてしまいやすく、さびの粉も出る状態。

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指板。フレットの減りは経年数の割に少ないのですが、弾かなかった期間がかなり長かったためフレット全体に青錆びが付着。フレットの端には汚れが堆積して固着。画像だとわかり難いですが指板は乾燥していてカサカサになっています。

全体的には汚れと電気パーツの劣化・故障がある程度で長い年月放置されていたギターとしては比較的良好な状態にしやすい感触です。さらに解体してゆきます。

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ピックガード・電気パーツを外したところ。ピックガード下の色合いと焼けた部分の色合いの違いが分かります。焼け以外に汚れもついています。硯のようなキャビティーはかなり浅くなっていて電気パーツの取り付け時に注意が必要かと思います。

 

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ピックガードとトラスロッドのプレート。ブリッジの下やノブ回りなどは付着した汚れも多いですがこれらは掃除すれば綺麗になります。プラスチックの内部まで焼けが浸潤していて、新品のようなきれいな状態への復帰は困難ですが、使い古した渋い感じ(汚れた汚い感じとは異なります)には仕上げられそうです。樹脂パーツは経年劣化による変形も心配ですが今回は一か所の亀裂がある以外は大丈夫そうです。ちょっと問題なのがリアPUを吊り下げるネジの穴。今回Seymour DuncanのJBに交換予定ですが、オリジナルのPUと比べてJBのネジが細く頭が小さくネジ頭の形も異なるのですが、そのままではマウントできないかもしれません。これは実際に組立の際に必要の応じて手を加えます。

 

 

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取り外したフロントPU。グレコオリジナルの「Screamin」というPUです。ポールピース表面の錆びやボビンの隙間に堆積した埃汚れがありますが、この状態でPUとしての機能は正常でした。なのできれいにして再利用します。リアも同じPUが搭載されていましたがこちらは音出ないので依頼主さんのご要望でSeymour Duncan JBに交換します。

 

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ブリッジとテールピース、スタッド等。表面の緑色は汚れもありますが、青錆びもあるでしょうか。ブリッジもすごいことになっていますが、この状態でサドルの可動性は問題なし。ブリッジ高調整のホイールがスタッドの上端の錆びが原因で外れなかったのでスタッドごとボディから取り外しました。そうしないとピックガードが外せない仕様です。この部分はさびを除いてスタッドをボディに残したままピックガードの取り外しができるのが通常の状態なのでそれを目指します。

 

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ヘッド。こちらもボディと同じように塗装の焼けと付着・堆積した汚れでこの状態。ペグはメッキの腐食しまくっているように見えますが、カバー表面に付着したヤニのような汚れがメインで、手間はかかりますが汚れを取り除けば大分きれいにできそうです。シャフトには錆びが出ている箇所も散見されまが深くまで浸潤はしていなさそう。ペグとしての動作は全く問題なし。ペグを止めているビスは頭が錆びています。

 

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ペグとロッドカバーを外したところ。スゴイ埃が付着しています。ナットも汚れが堆積。ブッシュはまだ残っていますが、もちろん外してからクリーニングします。

 

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取り外したペグ。えらい汚れでめまいがしそう・・・。でもメッキ内部まで腐食・錆びが浸潤していないので綺麗になります。なりますが・・・ものすごーく手間はかかります(T0T)。

今日はここまで。後日実際にクリーニングと再配線、組立てです。